駐在員さんへ
 
 ご親切なご意見ありがとうございました。
 
 あなたへの私の意見は、省略が多くて読めなかったようで、すみません。山崎さんのほうへも書きました。十分ではありませんが、それもあわせてご判読ください。
 
 それでも、せっかくご親切に時間をかけて書きこんでいただいたので、本論と関係ないことですが、一部勝手なことだけ、 誠意を込めてお答えしておきます。勝手なことを書きこみますから、いちいちそんなことは聞いていないとか、質問に答えていないとかおっしゃらないでください。学校の試験ではないのですから。
 
 私自身の思想や立場は、長い一匹狼の人生苦行の結果ですから、そんなに単純に既成の派でくくれるものではないし、あなたに言われて変わるものでもありません。自らどちらかといえば朝日派と書きこんでいるかと思いますが、それはあなたがおっしゃりたい「朝日」のとらえ方とは別の意味かもしれません。それについて、ここで私の立場など披瀝する必要もないと思います。新聞論、メディア論を展開しなくてはならなくなりますから・・。
 
 意見というより思いは、確かに飯島さんに直接お送りしているほかは、グサリと気になったときだけ書きこんでいます。
 
 飯島さんに限りなく思いを通してほしいと思いますが、法改正の問題については、難しすぎて、まだ、政党のようなお返事しかできません。飯島さんが日記でお書きになっている程度の改正は、やがて実現するのではないでしょうか。裁判の判決も一部厳しくなってきているようですし。それよりも私はこの運動の後の飯島さんのことを心配する方の意見
が当然あってよいと思ったのです。
 
 法改正を飯島さんの立場でと思うと同時に、私自身にも半生をかけてきた仕事があります。仕事のために夜中まで、不安定を訴えている娘を見てやれなかった、本人と病院任せだった、という一生の悔いがあります。娘をを亡くしてまで守りつづけた仕事だから、子供達を見放せないという思いで、その後も、ここでなければ、という子供達をお預かりしています。
 
 補導される子達もいました。愛の手帳の人もいました。不登校もいます。休日は精神障害者の方たちとの活動にも参加しています。ほんの自分の手の届く子供達だけとの関わ
りですが、そして凶悪犯のお話とは次元が違うと思われるかもしれませんが、そうではないと思います。私のお預かりしているお子さんが、もし、加害者グループに巻き込まれてしまったらと考えると、私は限りなく彼なり彼女なりの心と向き合い行動をおこしたいと思うと、思います。立場が変われば、思いも変わってしまいます。
 
 殺したい、と被害者が言われるのは感情的には納得できますが、私自身の立場はべつです。私自身の仕事にも、娘の命がかかっているのです。
 
 娘は社会事業学校の学生でしたが、優しくなれないという悩みを訴えて、自ら命を絶ちました。「何をするかもしれない」という不安も訴えておりました。彼女は他者を責めるタイプではなく、すべてに感謝して、自分の命をたちました。しかし、もし、他を攻撃するタイプであったら、加害者になっていたかもしれません。現在の子供達の置かれた状況は、どんな育て方をすれば間違いないといえる状況ではないように思います。不安神経症の時代と言われるように、健康な人でも突然心の病と紙一重なのです。
 
 
 飯島さんがどのような思いで掲示板を出されているか想像の限りではありませんが、
ですから、私の判断が間違っているかもしれませんが、いろいろなご意見を求められているのではないでしょうか。少年法についても、改正の賛否を論じてほしいのではないでしょうか。
 
 人生が違えば、思想も違う、いろいろあっていいではありませんか。一生懸命発言され
ている方を言葉の暴力でたたき出すことはやめてください。
                            
                                      飯田 啓子