ペンネーム:下水男
飯島さんがシンポジウムに参加されたので、「犯罪被害者の会」について
述べさせていただきます。
「犯罪被害者の会」代表幹事の岡村勲さんが、文藝春秋に次のように書いて
います。
岡村勲さん(文藝春秋2000年7月号119ページ)
> 池袋通り魔事件で娘を失った宮園誠也さんは、病院から百七十
>四万円の治療費を請求された。
1999年9月に池袋で通り魔事件が発生し、二人の方が亡くなりました。その一人が
高橋真弥さんで、宮園誠也さんは父君です。
岡村さんは、この文に続けて、犯罪加害者が転んで怪我をした場合等は、国から
治療費が出る制度について述べ、さらに次のように書いています。
岡村勲さん(文藝春秋2000年7月号119ページ)
>しかし、被害者には国から一銭も出ない。こうした不条理、
>不公平は、枚挙にいとまがない。
この部分を読んだだけでは、被害者遺族が病院に174万円支払ったように思えます。
ところが、週刊文春で高橋勝利さん(池袋通り魔事件で刺殺された真弥さんの夫)
がインタビュー記事で、次のように話しています。
高橋勝利さん(週刊文春2000年2月24日号35ページ)
> 妻が運び込まれた病院から
>は、四時間たらずの治療でし
>たが、百七十四万円の請求がき
>ました。社会保険を利用して
>三十何万か払いました。
実際に被害者遺族が払ったのは三十何万です。これだけでも岡村さんが、都合の
いい情報だけ流している、と思えてしまいます。
また、社会保険には国庫負担・補助がなされます。被害者や遺族の収入にもより
ますが、岡村さんが言う「被害者には国から一銭も出ない」は事実に反すること
になります。さらに岡村さんは次のように書いています。
岡村勲さん(文藝春秋2000年7月号125ページ)
>終身刑(日本にはない)とは異なり、実際には十五、六年で出所
>するケースが多い。
ところが法務省の平成9年の報告によると、出所者の平均受刑在所期間は
約21年6ヶ月です。これまた岡村さんが言ってることは事実に反しています。
日弁連副会長を務めたことがある岡村さんが、なぜこんなデタラメを
書くのでしょう?どうしても、インチキなことを言って情報操作をしている、
との印象を持たざるを得ません。岡村さんが何を言おうが、信用する気に
なれません。こんな人が代表をやっている「犯罪被害者の会」にも疑念を
持たざるを得ません。