飯島京子様、および残されたご家族の皆様に、心より
お悔やみ申し上げます。
私は高校生のひとり息子を持つ会社員です。
これまでこのHPをしばしば見せていただいて来ましたが、
何回読みましても、胸が締め付けられる思いです。
陰ながら応援させていただきます。ただし、お身体には
ご自愛くださいませ。
No.892 の武藤様を個人攻撃するつもりは毛頭ございませんし、
一応筋の通っていそうなご意見として拝読いたしました。
しかし、どうしても私なりの考えを一言申しあげたく、
初めて書き込みをいたします。
> このページは亡くなった友樹君のためになっているので
> しょうか?
何名のかたも同様のご意見を書いていらっしゃいますが、
私は以下のように考えます。
(1)友樹君のためになっているか否かは、誰にも判断
できない問題ですから、このような議論は不毛と
思えます。ただ、私個人的には、もしも霊魂という
ものが存在し、友樹君が天国から見ていたとしたら、
「お母さんは僕のことを決して忘れず、このように
頑張ってくれている!」と、素直に喜んでいるの
ではないかと推測します。
(2)このHPは、少なくとも、
・このような悲惨な出来事があった、という「現実」
を私たちに教えてくれています(このような悲惨な
出来事が二度と起こらないように、という願いが込め
られて・・・)
・少年法を皆で考え直す機会を私たちに与えてくれて
います。
という点で、意義のあるものだと思います。
(3)京子様は、時には感情的とも思える表現をされている
部分もありますが、大切な我が子(親にとっては我が子
はまさに「天使」です)を虐殺された哀しみと関係者の
非情な対応への憤りで、さぞや、いてもたってもいられ
ない/何かをしていないとやるせない状態ではないで
しょうか?
私たちは、そんな京子様のお気持ちを理解し、
同情し、励ましてさし上げるだけの「思いやり」すら
多忙な現代においても忘れてしまったとは思えません。
> 加害少年たちへの怒りや警察に対する不信感は
> 理解できるつもりです。
> と同時に友樹君にも落ち度があり、原因を作ったのは
> 友樹君だとも感じます。
> 確かに物を盗んだからといって集団に殺されるいわれは
> ありません。しかし、年齢から言っても事の善悪の判断や
> これが発覚したらどんな事になるのか?
> その程度の予測は出来ると思うのです。
>
> 15歳ということは、当然無免許ですし、人様のバイクを
> 盗む行為をみると、いっぱしの不良であると推測します
> 私自身、似たようなことをやってきましたが
> 不良になれば、なったなりのリスクというものが
> あります。
> つまり「自己責任」で物事を行なわなければならない。
> 人のバイクを盗んでボコボコにされるのは
> ある意味、当たり前だと思います。
ここまでは、理屈には合っていると思います。
つまり、
・バイクを盗んだならば、どういう結果になるかという
ことは、15歳ならば当然予想できるはずである。
・即ち、「バイクを盗む」→「相手から報復される」
という因果関係を十分認識できる年齢である。
ということですね。
それはそうだと思います。しかし、その後の記述が納得
できません。
> もちろん、死を持って償うほどの事ではありませんが
> それは運の悪い「結果」であって、暴行を受けることは
> 必然であると考えます。
はたして「集団で暴行を受け、死亡した」というのは
「運の悪い結果」にすぎないのでしょうか?
私が言いたいのは、加害者少年たちも、「因果関係を十分
認識できる年齢ではなかったのか?」ということです。
・金属バットや角材等の「凶器」を使い、
・複数人で よってたかって、
・長時間かけて、
暴行を加えればどういう結果になるか・・・。
死にますよ、普通。
友樹君でなくても、これだけのことをされれば、プロレスラー
だって、死にますよ。
そして加害者少年たちもまた、この因果関係を十分認識できる
年齢だったと思います。
よってこの事件は、「殺すつもりはなかった。運悪く相手が
死んでしまった」(傷害致死)などという甘いモノではなく、
れっきとした「殺人事件」だと思います。
しかも、「衝動殺人」ではなく、
・金属バットや角材等の「凶器」を準備していたこと
・狂気に走っていたわけではなく、仲間を呼び集めるなどの
冷静な(?)行動をとっていたこと
などを考えると、「計画殺人」であり、それに「凶器準備集合罪」
も加わるかも知れません。
武藤様は、友樹君に対しては「どういう結果を招くかを十分認識
できる年齢だった」と言い、加害者少年たちの認識力については
問題視しておられません。これはおかしな話です。
> 加害少年が少年院に入っていたり、保護観察処分を
> 受けているのは、その「結果」に対する処罰です。
> また処罰の内容も妥当だと感じます。
はたしてそうでしょうか? 処分が甘すぎませんか?
ここが、現行の少年法の欠点(限界)ではないでしょうか。
例えば、いたずら盛りの幼児が、家族を驚かそうとして父親の
ビールに農薬を入れたとします。そのビールを飲んだ父親が
死亡したとしても、その幼児は罪を問われないでしょう。
なぜなら、幼児には、「農薬を飲むと、どういう結果になるか」
という因果関係が認識(理解)できないからです。
むしろ、幼児でも手の届く場所に危険な農薬を置いていた親の
ほうの「劇物管理責任」が問われるでしょう。
一方、通常の社会生活を送っている「成人」が同様のことを
行った場合には、「過失致死」ではなく「殺人罪」に問われる
でしょう。成人ならば、農薬を飲ませたらどういう結果を
招くか、十分予想できるからです。「まさか死ぬとは思わな
かった」では済まされないでしょう。
問題は、「では何歳になれば、このような因果関係認識力が
形成されるか?」つまり、「何歳で<線>を引くか?」という
ことになります。
戦前、戦中ならいざ知らず、これだけ情報が氾濫している今日、
15歳ともなればほとんど大人と同様の知識を持っていると
思います。現行少年法の設定年齢が高すぎるのです。
今回の事件では「未必の故意」すら成立しないでしょう。
加害者少年たちは、(少年法の規定のない社会でしたら)
「殺人犯」としてそれ相応の刑(極刑)を受けるでしょう。
それだけの反社会的、非人道的、悪逆な行いをした外道なの
ですから。
> 表題の「冷めた見方」というのは
> 加害少年やその親たちも友樹君ほどでありませんが
> 被害者とも言えるのではないかと思ったからです。
>
> 「あいつが俺のバイクさえ盗まなければ
> こんなことにはならなかった」
> 「俺がこんな目にあっているのはアイツのせいだ」
> 加害少年の親も、貴女が息子を愛するように
> みんな自分の子がかわいいのです。
武藤様は、本気でそう思っていらっしゃいますか?
バイクの価値と、人間の命の重みとを、同一レベルで考え
られるのでしょうか?
今回の事件は、あなたが考えていらっしゃる限度を越えて
います。
> つまり、それぞれの立場でそれぞれの言い分がある中で
> 誰が悪いとか警察が、法律が、と言う事に建設的な
> 意味があるのか?と疑問を感じます。
> 一番尊重されるべきは、命を失った友樹君でなければ
> ならないと思います。
> 残念ながら現在の貴女のご意見は
> 愛する息子をかばうあまりに
> その息子の尊厳を傷つけているように思います。
> ご遺族に対して少々キツい言い方かもしれませんが
> 感情論で法律は改正されませんし、冷静な見地から
> 意見を出そうとする良識ある人々は
> 感情論の中には入ってきてくれません。
> 「貴女が間違っている」と言うつもりはありませんが
> 何もかもを同一のレベルで語るのには無理があるように
> 思います。
> 議論をされるなら、少年法の件、警察の対応の件などに分けて
> 議論した方が、より良い意見を集約できると思います。
この節は(前述のような矛盾点がありますので、説得力は感じ
ませんが)私もほぼ同意見です。
ただし、実際問題として、ご指摘のような議論を進めるのは
運営が大変であり、現実的ではないと思います。
つい長々と書いてしまいましたが、このような意見もあると
いうことをお知らせしたかった次第です。
再び飯島様へ:
友樹君のご冥福をお祈り申し上げます。
山崎