前略
 
 本日、このHPを拝見し、
同じように子を持つ親として少し書かせて戴きます。
 
 私の申し上げたいことを要約しますと、
件名の「もっと自分たちの子に愛を」ということになります。
 
 これは、決して加害者少年達を養護するものでもなければ、
その責任を軽くするものでもありません。
 加害者のしたことが如何に残虐で、友樹君にそこまでの原因が
あるとは思えませんし。
愛する子を奪われた口惜しさも思うに余りあるものを感じます。
そしてこの事件とその責任については、今後もいろいろなところで
取り上げられ考えられていくことと思います。
 
 しかしここで忘れてはいけないのは、
加害者少年の親達も、そして、残念ながら友樹君の親である貴方達も、
何故、このようなことになったのか、根本のところで子供たちを、
愛していたのだろうか?ということです。
 例えば、友樹君が友人達と人のバイクを盗み、
そのことで警察の世話になっていながら、その後も似たようなことに
拘わりをもっていたこと。
 あるいは、人を殴ったり蹴ったりして傷つけ、その痛みを楽しみに
感じてしまう異常な人間に加害者達が何故なったのか。
 そして、そのような異常なことが自分の友人に対して行われているのに、
見て見ない振りをできる少年達を誰が生んだのか。
 全ての当事者に当然親がおり、全ての当事者の条件が悪かった為に、
友樹君の悲劇は起こってしまったのです。
その内の誰かがちゃんとしていれば、
ここまで悲惨なことにはならなかったでしょう。
あまりにも口惜しいことです。
 
 子供は真っ白の状態で産まれてきます。
そしてその後の環境に大きく影響されながら育っていきます。
その一番大きな影響者は親達です。
親が子供に責任を持たずに誰がこの社会に責任を持てるんでしょうか。
親が子供を心から愛することで、子供たちは全てを愛せるんだと思います。
決して友樹君にも原因や責任があったなどと言うつもりはありません。
また、未成年といえども、加害者少年達には言い表せないくらいの責任があります。
その起きてしまったことには、いずれ正しい審判の下る日がくることでしょう。
けれど、これから先、21世紀に向けて、本当の意味で自分の子供を愛することが、
自分たちの社会を愛することになり、その未来を決めることになると思うのです。
 
 友樹君を奪われた悲しみと、加害者への言い知れぬ怒りを思うと、
何も言えなくなりますが、貴方達の今後に向けても
この事が申し上げたく、メール致しました。
 
                                   草々
 飯島京子様
                             香川泰三(42歳男)