ペンネーム:ノリコ
これで投稿3度目ほどになります.
私現在イギリスに在住しております.
今日テレビで,最近イギリスの
労働党政府が提案した
少年犯罪に対する様々な法改正
についての討論番組を見たので
その内容,感想等を書かせていただきます.
法改正は大まかにいって,
2つの主旨があるようです。
一つは未成年による犯罪を
どう法的に罰するか,
そしてもう一つは犯罪を犯した
少年の保護者の責任をどう法的に
取らせるか,です。
まず,未成年による犯罪に対する
法的処置ですが,
こちらでは“未成年”は
16歳未満だと思いますが,10歳以上で
あれば事の良し悪しの判断がつく、
とされ、犯罪を犯した場合は
今までは警察は“注意“することしか
出来なかったのが、新しい法では
犯罪を犯した少年に対して警察が
外出禁止令を出す事が出来る.
再度犯罪を繰り返す少年,
または凶悪犯罪を犯した少年は
刑務所に送る事が出来る.
加害者の少年の保護者については
裁判所の判断により,場合によっては
保護者としての責任を満たしていない
とみなされ刑務所に送られる.
または裁判所が少年の保護者に対して,
”保護者のためのセミナー”への参加を
強制する事が出来る.
などだそうです.
討論会には内務省大臣、
少年犯罪率が特に高い地域にある
学校の校長、
息子さんを殺された母親,
犯罪を犯した少年を持つ両親,
ソーシャルワーカー、
少年犯罪に特に従事している警察官、
児童犯罪心理学者、
以前に犯罪を何度も犯していた少年達,
と,“少年犯罪“を取り巻く
環境に様々な形で関わっている人達
でした.
番組の構成は
1)少年犯罪は増えているのか?
2)少年犯罪は凶悪化しているのか?
3)犯罪を犯す少年達の生活環境に
何かしらの同一性がみられるか?
3)少年犯罪と社会的環境の関係はあるのか?
4)法改正によって少年犯罪に対して以前よりも
厳しい法律が課せられるが、これによって犯罪を
減らす事が出来るのか?
の以上でした.
この番組を観た感想は
まず,このような討論番組は
日本ではまず無理だろう、ということ。
日本での少年犯罪についての
状況の詳しいレポートがあるのか?
法律を厳しくしたところで少年犯罪は
減らないのではないか?
ということです.
私自身、日本の少年犯罪について
詳しい事は知りませんが,
この番組を観て,
法律は国ごとの状況を良く把握した上で
その状況に対してどのような法律が
適しているかを考える事が
先決だと思いました.
例えばイギリスの場合は
少年犯罪と貧困、経済悪化
が直結しているそうです.
少年犯罪の多くが貧困層にある
少年によって犯されているそうです.
また,貧困層にある家族には特に
父親の子供、母親に対しての虐待が多く,
このような家族の中で
子供は父親からの虐待を受け,
さらには精神的に不安定な
母親からの精神的なサポートが
欠如しているため幼い頃から
何らかの暴力的態度を身につけていく
そうです.
また,児童犯罪心理学者によると
少年の暴力的行動,将来犯罪を
犯す可能性がある少年というのは
学校等に専門家がいれば
80-90%の確立でそのような
暴力的行動が悪化する前に
“治療”する事が出来るそうです.
ですから学者、またソーシャルワーカー
達はこのような“治療”が与えられて
いない現在の状況で
法律を改正する事は好ましくない、
といっていました.
子供の暴力的態度,行為は
遺伝的ではなく,“生活環境”
によって作られるものであるから
その生活環境が暴力的行為、
犯罪を犯すような環境であれば
その環境を正すのが正論で、
自らの暴力的行為を防ぐ手立てを
持ち合わせていない少年を
法によって罰する,特に刑務所に
入れる、というのは政府の責任転嫁
である、という意見でした.
“少年法改正”を論じる前に
今日本で起きている少年犯罪に
ついての私達のより深い理解が
まず必要なのでは、
と思い,メールしました.
お母様,友樹君を思われる気持ち、
このホームページをよまれている
人達のほとんどに伝わっている
と思います.
どうか、お体には十分気をつけて
これからも友樹君をはじめ、
多くの少年犯罪の被害者のご家族,
また,心を病んでいる子供達の
ためにも頑張って下さい.