バイクの窃盗事件について、いまは、友樹君本人から聴くことができない
ので事件のことを伝聞でしか知らないものが、言及するのは避けた方がよ
いように思います。子供が、人を差別しないように育てられていれば、子
供は善悪は分かっていても、行動をともにすることがあります。友樹君の
事件とは関わりないことですが、警察は、犯行を見ていただけの子供達も
一斉に補導しますし、子供達は保身のためにうその陳述をしたり、逆にか
ばいあって真相を話さなかったりします。だからといって、非行気味の子
供と袂を分かって付き合わないように、というのもどうでしょうか。私も
塾内で問題が起きたとき、見きれないので外部生のお母さんにはそういう
言い方をしたことがありますが、決してそれはよい育て方とはいえないと
思います。親も子もみなさんが、ぎりぎりの環境の中で選択されていると
思います。義務教育以外の学校は非行のあった生徒を追放すればお役ごめ
んですが、それで地域はよくなりませんし、友達も本来なら清濁併せ呑め
るのが友達であるはずなのですから。すべては、結果論に過ぎないと思い
ます。
犯罪行為を許すことがあってはなりませんが、お金で解決のつくことと
つかないことが同列におかれてしまう価値観を徹底的にただしていかなけ
ればならないように思います。誰も当事者の気持ちなどわからないと思い
ます。だれが正しいとか間違っているという問題でもありません。お母さ
んにとっても、言いたいことを全部言ってしまえば、自己弁護のようにと
られかねないので、言えない部分もたくさんあるだろうと思います。
ここに書かれた事実を、謙虚に読んで、学ばせていただくことこそが、
まずは、大切なことだと思います。結論が早急で明確であればよいという
問題でもありません。さまざまな立場から検討され、時間はかかっても、
被害者の声はきっと一番大切にされると思います。
私は朝日の声欄で、婦人問題と教育問題についてはスカベンジャーのよ
うに反論を書き続けてきました。「子育て論争」では、あまり書くので取
材されて、記者さんに、こんなに書くのなら、なぜ朝日の記者にならなか
ったのですか、と言われたほどです。朝日の方向性が間違っているとか、
意見の違うものを排除しているとか、そのようなことはまったくないと思
います。ドグマのある集団とはちがいますから。そうであれば、私など声
欄からとっくに追放されています。近しいものも内部にいますが、皆さん
ポリシーがあって、妥協しない人達だと聞いています。その集合がどのよ
うに見られたとしても、それこそ言論と表現の自由に属することがらであ
り、書いたものについて言えば、新聞のポリシーと編集権に属することで
す。反論に確信があったらペンで乗り込むのが常識でしょう。
人権が重視されるのは、当然で、高校生の方までが、感化されてか「人
権派の悪徳弁護士」という言葉を使っいるのが気になりました。大変、揶
揄的で、非論理的な造語です。
飯島さん、以前の日記の部分をようやく読み終わりました。事件のその
ときに、感じてあげられなかったことをしきりに残念がっていらっしゃい
ますが、お気持ちとてもよく分かります。私は、娘がその夕方、散歩に出
るのに、「ママに買ってもらった赤いセーターを着て行こう」と言って玄
関を出て行くのを別の部屋で小耳に挟みながら、なぜそんなことを言って
いるのかも疑わず、後であの時、おかしいと思えなかったのか、なぜ、そ
の後もテレパシーが働かなかったのかと、ずっと後悔しています。
また、お仕事をお持ちのようで、仕事のために十分気配りができなかっ
たという後悔、だれもが経験することですね。でも、その反面、自立して
確りしたお子さんに育っていたと思います。たくさんのことを書いて伝え
てください。お願いします。少しでもお気持ちを共有できるように。