京子さんの日記を読んで
大変に胸が痛み、
再度メールさせていただきます.
多数のメールの中に少数ではありますが
”未成年の犯罪、特に凶悪犯罪が
増えているのはなぜか”という問題と,
”少年による犯罪に対する
法的対処をどうするか”という
2つの別々の問題をいっしょにして
無理矢理論理付ける
ようなメールが見受けられますが,
意見をする以上、もっと真剣に考えて欲しい
と思ってメールしました。
メールの中には”未成年の犯罪は
犯した個人や家族に責任が
あるのだから,犯罪が軽いか重いかを
議論しても仕方が無い”とか、
”家族にも責任があるのだから,
その家族が警察や学校,社会を
非難するのはおかしい”とか,
”それよりもどうして犯罪が起こる
のか議論する方が先決だ”
という意見も見受けられますが
このような意見は
2つの別々の議論を同時にして,
一方の議論を持って
もう一方の議論の重要性を否定する、
または、一方の議論を
もう一方の議論するその過程に使って
結論に結びつける、という
間違いを起こしていると思います.
そのような間違った議論の
展開は、2つの議論の重要性を
否定する、さらには、
自分で信じている結論に結びつける
ためだけの”方法,手段”に過ぎず、
あまり意味の無い,
’危険’な議論ではないでしょうか?
”大人、特に家族がなっていないから
子供の躾がきちんとされず、
そのため犯罪を犯し、
それが理由で殺され、
それでいて法律がおかしいだの
警察はなっていないだのというのは
責任転嫁だ、他を非難する前に
自分のことをもっと見ろ”
などという意見は
2つの別々である問題を
いっしょに議論しているばかりでなく
結果的に何の良い結論も見出せない,
意味のある議論も無駄にするだけです.
未成年による犯罪の理由を考える,
またはどう予防するかを考えるとき
私達一人一人が責任を持って
議論する事は大切ですが,
仮に自分の子供が世の中で
”不良”とレッテルを貼られる
子供であったとしても
だからといって
その家族は意見を述べる
権利がない,
というのはおかしいのでは
ないでしょうか?
(友樹君のことを言っている
のではありません.
そのような理論自体が
間違っている,ということです.)
日本には”不言実行””言行一致”
を賛美する傾向がありますが,
これが”実行可能な事だけ言え!”
”自分で出来なかった事なのに
他に責任を見出そうとするな!”
というような考えと表裏一体になると
これは議論そのものの活性化を
阻害する要因になるのでは
ないでしょうか?
”未成年の犯罪をどう予防するか”
これは家族だけでなく,学校,警察、
地域全体,そして専門家も素人も
一緒になって考えていかなければ
ならない問題だと思います.
答えは一つではありません.
高校の教諭をされている方の
メールにもありましたが,
家族にもそして学校にも
いじめや犯罪にはしる子供達に
原因があります.
社会全体の風潮や、
世の中で一般的に信じられている
”良し悪し”、そのような全てのことが
複雑に入り混じった環境の中で
子供は育っていきます。
ですから、私達一人一人が
様々な立場から
次世代に対しての責任感を持って、
この問題を考えていかなければ
ならないと思います.
さらに,友樹君、またご家族を知らずに
そのような意見をするのは
たとえ友樹君のケースを
直接的に議論の中で
使っていなくても
無責任であるだけでなく
何の根拠も無い中傷に過ぎません。
ホームページへのメールだから…
と軽く考えず,深く自分なりに
考え,理論だった意見をして欲しいと
思います.
このホームページを立ち上げ
維持するために
京子様をはじめ、ご家族等
大変な御苦労をなさっている
と思います.
意見を述べるのは自由ですが
京子さんの真剣な気持ち,
大変な苦労を頭において,
慎重に意見していただきたいと
思います.
次に
”未成年が犯罪を起こした場合,
法的にどう対処するか”
という問題ですが,
私は法律の専門家では
ありませんので京子様、
また皆様のメール等から得た
知識しかありません.
しかし,京子様が”疑問点”の中で
挙げられたなかで、
被害者が未成年で死亡している場合,
そのプライバシーは守られない.
というのは納得いかない理論では
ないでしょうか?
さらに,”少年法”は未成年である
加害者は成長過程に
あるため,ある程度の保護が
必要である,という原則に
基づいているようです。
その原則のために、被害者の
家族の権利が過剰に奪われる
という状況になっていることは
改められるべきでは
ないでしょうか?
加害者に対する法的責任
を求めるか、
加害者が未成年であるから
擁護する必要があるか,
その線を引くのは大変に
難しい事だと思います.
法律というのは個々の状況に
関わらず,一律に適応されます.
そこに問題があるように
思われるのですが…
京子さんが立ち上げてくれた
このホームページを
意義のあるものとするには
問題点の一つ一つをはっきりさせ,
問題点ごとに理論立った
議論を発展させていく事が
一番有意義な事と考えます.
京子様,長くなって申し訳ありません.
京子様の考えている事,
身を切るような思いで
こうしてホームページを
続けていらっしゃる事、
たくさんの人が知っています.
あまりの悲しみに
”忘れたい”,”考えたくもない”
と思うのが普通だと思います.
でも京子様はこうして
ホームページで私達に
”考える場”を提供
してくれています.
本当に有難いと思います.
お体に気をつけて,
これからも益々少しでも
私達の住む社会,
そして将来が明るいものに
なるように頑張っていきましょう.
こうしてメールを送るしか私には
出来ませんが、影ながら
応援しています.