京子様
膨大な量のメール,シンポジウム等への参加,日常の生活等々,
大変に忙しい毎日を過ごされているようで,お体の方は大丈夫かな…
と気になります.
31日付の日記を読んで思ったことを書いてみたいと思います.
日記の中で京子さんは゛少年法改正゛についてと、゛どうしたら
社会を良い方向に導いていけるか゛という事についてお考えのようです.
私は゛少年法改正゛か否か、について,京子さんのおっしゃる通り
もっともっと議論の場を広めて行く事が一番重要だと思います.
どの意見が一番正しいか,を判断するのは現在の社会を構成している
市民の一人一人です.
市民の間で様々な意見-相反する意見-があって当然で,
その様々な意見が公平に公の場で議論され,少数の政治家や法律を専門
としている人々だけでなく,より多くの人の意見が法律に反映されるように
するべきだと思います.
゛少年法゛をはじめ、すべての法律は私達市民一人一人に
影響を及ぼすものです。その法律が一握りの人達に決められてしまう,
というのは民主主義に反すると思います.
京子さんの日記を読んで感じた事は、シンポジウムがあっても
それに参加している法律の専門家は一握りでしかない事.
また被害者,加害者の意見は,少年法を実際に経験している訳ですから,
少年法を考える上で特に重要な意見として反映されるべき
であるのに,法律の素人、ということで実際に法改正をするのかしないのか,
するとすればどこをどう改正するのか,という重要な決定を
するにいたる過程からは除外されているように思われます.
日本の法律を決めたり,改正したりするその過程をもっと
市民や,法律に直接影響する,または影響された人々の意見が
反映されるように変えていかなければならないと思います.
気の遠くなるような話しですが,゛そんな事無理だ゛と諦めたら
それで終わりです.
海外に目を向ければ、小さなグループ,団体が゛これはおかしい!
変えなければ!゛と始めた運動が、町レベルから市,県,そして
国のレベルまで育っていった例は数え切れないほどあります.
京子さん,今は始まったばかりで意欲もおありかと思います.
長くなれば,挫折したり,゛もうだめだ゛と諦めたくなる事も
あるかと思いますが,頑張って下さい.
京子さんがこうしてホームを始めてくれたからこそ
こうしてたくさんの人が興味を持ち出してくれています。
あなたが植えた種が芽を開き、花を咲かせることを
信じています.
最後に,京子さんが日記で゛どうしたら社会を良い方向に
むけていけるか…”と書いていらっしゃいましたが,
社会を良い方向に向けていくにはたくさんの道があると
思います.心無い人は京子さんに゛親の責任だ゛と
言われるかもしれません.
子供が法に触れる事をするには色々な理由があります.
親の責任も一部あるかもしれません.しかし゛親の責任゛
という理由で゛殺されても仕方が無い゛というのは
とんでもない論理です.
子供は色々なところから影響を受けます.
家庭もその場の一つでしょう.
しかし、子供の躾がなっていないとか子供の゛良し悪し゛
の判断力が欠けているとか、その理由をすべて家庭に
帰するのは間違っています.
子供は兄弟,姉妹であっても一人一人違います.
個人的な経験からいっても、両親がきちんと教育
していても子供が非行に走ったり,犯罪を犯したり
する事も少なからずあります.
子供は家庭だけでなく、学校や地域全体,
社会の反映だと思います.
色々な人々や社会の風潮などすべてが
複雑に入り混じり,影響しあって子供が
成長して行く環境を作っているのです.
ですから友樹君がバイクを盗んだのも
様々な理由からだと思います.
だからといって,それがご両親の責任である,
と断言するのは間違っていると思います.
さらに,バイクを盗んだ事が一つの原因となって
殺人に及んだ事をあたかも゛当然゛のごとく
考えるのは間違っていると思います.
友樹君は大人に成長していく過程で
色々と思考錯誤し,間違いもしたでしょう.
これは10代の若者が皆する事ですl
私達は゛完璧゛ではありません.
間違いもします。
皆さん胸に手をあてて考えてください.
中学生の頃,興味本位でタバコを吸ってみたり、
お酒を飲んだりした事はありませんか?
だからといって、゛リンチ゛されたり
殺されたりしてもそれは゛身から出た錆゛
なのでしょうか?
京子さん、ご自分を責めないで下さい.
心無い人は色々な事を言います.
私は友樹君がどのような若者だったのか
知りません.友樹君が゛優等生゛か
゛不良゛であったかそんな事は問題では
ありません.仮に゛悪い子゛であったとしても
悪い子だから殺人に巻き込まれても仕方ない、
なんて、本当に怒りが込み上げてきます.
でも,色々な意見があってこそ,また多くの人が
様々な意見を出し合うところから道が開けて
来るのだと思います.
これからも日記を読ませていただきます.
身体的だけでなく,精神的にも大変だろうと思いますが,
どうか諦めずに゛花を咲かせて゛下さい.
またお便りさせて頂きます.