どうも、友人からこのホームページを教えてもらい、今日、初めて拝見させてもらいました。私、24歳の学生です。
まずはじめに、私はこのような、体験をしたことがないので、客観的に事件を捉えたうえでこのメールを書かせてもらっています。
学生と言いましたが、今アメリカの大学のほうにいます。当然、私のほかにも日本人の学生がいまして、時々彼らと話をします。
その大半が、私よりも年下の、高校生を卒業したばかりの、少年から大人になりかけの生徒ばかりなのですが、私が彼らと話して思うことは、”常識がない”、もしくは”常識が通用しない”と言うことです。 私がこちらに来たばかりのころ同じクラスにいた18歳の日本人学生が、他の国の生徒に対して、”日本では、食事中肘をついて食べるんだ”と、何の迷いもなく言いました。
たかだか食事中のことであり、たいしたことはないと思えばそれまでですが、私は正直びっくりしました。一番びっくりしたのは、”何の迷いもなく”と言う部分です。恐らく彼の親は今まで一度として注意したことはないのでしょう。
私がこの体験を通して思ったことは、こうした、社会常識、ないし今まで社会であたりまえと思われてきたものが、今の若い子供たちには通用しなくなってきている、また、こうしたことの原因は、その親の教育方針ないし実際に行われた教育にあるのではということです。最近では、育児拒否などが問題として取り扱われているようですが、”親”というもののあり方が明らかに変わってきているのではないでしょうか。また飽食の時代と言われる今の日本の状態にもまた、原因のいったんはあると思われます。
私にとって、今回の事件は、今の日本社会における子供のあり方、そしてその子供たちを育てる親のあり方を、象徴するものだと捉えます。私も、今年で25歳になり、これから何年か後には、父親となるでしょう。そうしたときに、このような悲劇が起こらないよう、自分の子供には、しっかり、”何がやってもいいことなのか”また”何がやってはいけないことなのか”という私たちにとっては、あたりまえとも言える”社会的な基準”を、教えなければと、危機感にも似たものを感じます。子供にとって、怖くてやさしい父親にならなければと思います。
恐らく、偏見や、誤解と言った警察を含めた社会からのさまざまな見られ方があると思いますが、このホームページを通じて、多くの人にこの事件の真の原因、また、この事件によって、われわれが学ぶべきものを教えてください。
ご子息を失われたことを、深くお悔やみ申し上げるとともに、心からご冥福をお祈りいたします。
2000年7月22日 岡本拓也