このところ増えつづける若者の暴力にまつわる不幸なニュースを聞く度に、3人の子供を持つ親
として、いったい何が若者の間でおきているのか、被害にあった方たちは何を考えていらっしゃ
るのか、常々知りたいと思っていました。 この勇気のあるそして悲しみのサイトを一読してみ
て分かったことは、私の想像とそうはかけ離れていませんでした。 すぐ切れる人間、悪いこと
を人のせいにして自分のこととして考えられない風潮。 これをさらに助長する時代に取り残さ
れた少年法。 こんななかで我が子を間違った方向にいかせないために親の責任は重大だと感じ
ています。 なにがなくても最低限悪いことと良いことの区別はしっかり考えられる人間に育て
ることを肝に銘じています。 現代のこの風潮に対しての私の仮説は二つです。 ひとつは現実
の世界とそうでない世界の区別がつかなくなってきているのではないかと思います。 ゲームの
世界で人を殴る蹴るそして簡単に殺す。 同じことを現実にやったらひとを殺してしまうことす
ら区別がつかない人間が生まれてしまうのかもしれません。 人や生き物、自然界との接触を断
ち、葛藤のないゲームの世界で子供を成長させてはならないと思っています。 しかしそんな親
の心配をよそにわが息子もなかなかゲームから頭が離れられないでいます。 もうひとつの仮説
は、いじめです。 これは最近、NHKの朝のニュースで耳にしたある大学の教授の調査レポート
です。 先進数カ国の比較です。 日本はいじめの件数が世界中で最も少ない。 ところがいじ
めの期間が最も長い。 この原因を、以下のように分析しておられました。 どの国でも年齢を
経るごとに友達がいじめられているのを見てみないふりをする件数が増えつづける。 しかし、
日本以外の国では中学2年を過ぎるころからいじめを無視する件数が減り、子供たちの世界を正
常に保とうとする第三者(友達)の力がはたらく。 つまりいじめを周りが許さないという自浄
作用がはたらく。 ところが日本の場合はこの傾向がなく、いじめを無視しつづける件数は中学
3年を過ぎても増え続ける。 いじめを受けた人が最も助けてもらいたい人の第一位は友達だそ
うです。 次は先生。 最後に親。 最も助けてもらいたい人(友達)から無視されたらその結
末は悲惨です。 この衝撃なレポートを耳にして私は朝のテレビにくぎ付けになりました。 た
しかに思い当たるふしはあります。 大人になっても、他人や若者には、さわらぬ神にたたりな
しで、悪いことをしている人になかなか注意しないのが我々日本人です。 たとえ自分の子供で
なくても勇気をもって注意できなくてはいけない。 警察にご厄介にならなくても周りが悪いこ
とやその前兆を許さない世の中を作っていかなくてはならない。 なんでも人のせいにしない、
問題を自分のこととして考えられる人間を育てていかなくてはならない。 これが21世紀を目の
前にした我々親たちに課せられた大きな使命です。 一方、肉体的な成長にくらべて精神的な成
長が遅れをとっている一部の若者をさらにあまやかす少年法の早期改正は政治・立法に携わる
方々の緊急使命です。 公正でかつ迅速な情報の開示により真実が解明されることをお祈りいた
します。
平成12年7月20日