若い頃、仕事の関係で一時お隣の加須市に住んでいたこともあり、田園風景豊かな穏やかな
K町で起きたこの痛ましい事件のことは、強く印象に残っておりました。
あれから7年の歳月が経ったわけですが、本人のみならずご両親にとってもどれだけ辛く苦しい歳
月の流れだったでしょうか。
現在、友樹君より少し年下の21歳になる大学生の息子を持つ父親として、ご両親の苦しみを
思うといつも言いようの無い気持ちになります。

今から18年ほど前、私の仕事関係の知人のお嬢さんが行方不明になり、後に遺体で発見され
る事件がありました。
当時、その方とは親しくお付き合いをしており、行方不明直後、私もお嬢さんの捜索をお手伝い
したのですが、遺体発見という最悪の結末を迎えた時、呆然とたたずむご両親を前に、語りかけ
る言葉も見つからず、私自身もどうしようもない虚脱感に押しつぶされそうになった重い記憶が、
今でも脳裏にハッキリと残っております。
そんな経験をしてからは、罪も無い子供達が犯罪に巻き込まれ、尊い命を失ってしまうという事
件が報道される度に、どうしようもない嫌悪感を感じ、命を奪った側の者に対し、押さえ切れな
い怒りが湧いてしまうのです。
自らの欲望の「はけ口」として私の知人のお嬢さんやその他の幼い女の子を手にかけ、尊い命を
奪った犯人「宮崎勤死刑囚」は、精神鑑定の際、「亡くなった子供達やその遺族に対し申し訳
ないという気持ちはあるのか?」という問いに「申し訳ないという気持ちはない」と平然と言い切った
と伝えられておりますが、何故、いとも簡単に尊い人の命を奪うことができるのでしょうか・・・
友樹君の事件の後も、これでもかというように、類似した事件や幼い子供達を毒牙にかける残酷
な事件が、相次いで発生しております。

最近は、政府を中心にようやく重い腰を上げ、子供達の「イジメの問題」や「学校教育の見直し」
などが盛んに論議されているようですが、どうも一部知識人とか教育評論家などと呼ばれる頭でっ
かちの理屈っぽい「理論家」や「お偉い先生」方が場当たり的な議論に終始するのみで、本来、人
として最も重んじなければならない「命を尊ぶ心」を教える「倫理教育」の問題はお座なりにされて
いるような気がしてならないのです。
友樹君のお母様が少年院などの「更生施設」を回られ、「命の尊さ」について講演活動をされて
おられるとのこと・・・・苦しみを超えられそのような活動をされているお母様のお姿に本当に頭が下
がる思いで胸が一杯になります。
纏まりの無い稚拙な文章で申し訳ないと思いながらも、友樹君のご両親に対し、感謝と尊敬の念
を抱きメールを送らせていただきました。
いつまでもお元気でご活躍くださいますよう、お祈り申し上げます。
 
                                               千葉県 YS