大変ご無沙汰いたしております。もう覚えていらっしゃらないかもしれませんが、以前御講演頂いた早稲田大学法学部しゃもんけんの那須でございます。失礼ながら大変久しぶりにHPを拝見させていただいたのでメールで不躾ではありますが、お便りをさせて頂きます。

新入生のサークルへの勧誘もようやく一段落し、今はサークルで生命倫理について学んでおります。終末期医療や医療現場の様子を伺ったりして、ふと友樹さんのことを思い出しました。余命僅かな一つの生を充実させようと患者さんや家族、医者、看護士、ボランティアの方々と沢山の人が頑張っていらっしゃる一方で、友樹さんの時のように先の長い命を軽々と奪っていく人がいる・・・。余りにも悲しいです。命というものを簡単に奪ってしまう人達に、この人たちの事を見せてあげたい。変な表現ですが、こうして勉強さあせて頂いていると、人を殺すのが悪いとか言うよりも「命がある」「生」というものは素晴らしいんだよと伝えたいと思いました。今の社会は「生」の素晴らしさというものを体感しにくい世の中になってしまったのでしょうか。私も、「命は尊い」と言葉の表面だけ感じて、その意味も考えずに今まで生きていたような気がいたします。
皆が生の素晴らしさというものを感じていけるような社会になることを願ってやみません。わたしも社会の一員として決して忘れることなくいきたいと思います。

そして飯島さんがおっしゃる裁判の問題、これは少年審判だけに限らず普通の裁判でも被害者の司法からの疎外といえるようなことがあるようです。先日、兼松事件と言われる男女雇用差別事件で裁判をしていらっしゃる原告団のお一人、逆井征子さんという方のお話を聞きました。もちろん、この方の場合は飯島さんのように情報が無いと言うことは無かったのですが、さまざまな証拠を並べ立証したにも関わらず、判決では全くその証拠が取り上げられず、明確な根拠の無いことばかり並べてもっともらしい理論を作り上げ、原告の請求を認めない判決が出ていました。
少年審判とは違う形ではありますが、現実社会と司法の世界の乖離というものが想像以上に広がっていて問題意識を強くした次第です。こんな矛盾に満ちた司法の現状を法曹を志すものとして忘れずに、また同輩とも共有して行きたいと思います。

体調快方に向かっていらっしゃるそうですが、まもなく梅雨。体調崩しやすい季節ですが、友樹さんの為にも御体お大事になさってください。
長々と私事を書き連ねまして失礼いたしました。

  那須