はじめまして。突然メールを送ります御無礼をお許しください。私は森上といいます。都内の私立大学に通う、学生です。飯島様のご子息、飯島友樹君とは、すむところこそ違え、ひとつ上の学年に当たります。
このたび、少年院でご講演なさる飯島様のお姿をテレビで拝見し、
とりもなおさずサイトに接続しすべて拝読させていただきました。 正直怒りをこらえ切れませんでした。何より、治安を何より維持すべき警察のあまりの不自然さ。なんというか、うまく言葉も出ないほどです。。。 
なぜ、被害者の声がここまで無視されるのか、加害者の人権は守るのに、被害者は実名を出し、まるで被害者にも原因があるかのごとく辛く当たる警察、そして歪曲した報道しかしないマスメディア。

私自身、中学・高校のある時期までいじめを受けていました。私の恋人もそうです。私も、もしかすると友樹君と同じようにされてたかもしれない。そう思うと、恐ろしくてしょうがありません。そして、その無念を晴らすことも出来ない遺族の方々の気持ちは、いかほどかと涙すらこぼれます。 加害者は数年の禁固で社会に戻ってくる。インタビューにお答えなさっておられましたが、被害者の遺族に謝りにも来ないそうですね。 果たして友樹君や、栃木で亡くなられた須藤正和君、彼らの人生は、加害者たちのたった数年の少年院・刑務所生活で償いえるものでしょうか。 「加害者の人権を守れ」と声高に言い立てる一部の人間、そしてそれが世論の多数であるかのように偽るマスコミ、「死者に鞭打つ」とまで言い、加害者に正当な罰を加えることを忌避する風潮、明白におかしいと思います。

面白半分に暴力を振るい、人の命を奪った人間が、奪った人の命の重みまでを背負って生きていけるのでしょうか。少年だからと無闇に情状酌量が通る、私たち一般の人にはわかりえない密室での談合は正しいのでしょうか。残念ながら、現在の人々の中にそこまでを考えている人は少なく思えます。私たち学生の中でさえ、関心を持つ人は少ないのです。私だってこれまでは忘れていました。自分が受けてきたいじめを忘れようとつとめ、いじめた人間のことも忘れようと。彼らはとうに忘れているでしょう。人を苦しめること、面白半分に暴力を振るうこと、そういったことが過ちであると教えられない現在の状況を、どうして誰も気付かないのでしょうか。私には疑問です。

長い上にとりとめのない話で申し訳ありませんでした。私は今、自分の目標を見つけかねています。親によって生み出され、友や恋人によって支えられ、幸運によって五体満足に生かされてきたこの命をどう扱うか、考えていました。
しかし、この活動を見て、「警察官になる」という選択肢を選ぶことを決心いたしました。無論、人権の意味を履き違え、捜査の意義を知らず、評判だけに汲々とする警察官ではなく、被害者の声、人の苦しみ、そういった考課表に載らないことにも目を配れる、真の司直を目指そうと思います。
生前には友樹君と言葉も交わせなかった、しかもこういった事件を知ることもなかった、ただ同じ年代であるというだけのおろかな他人である私ですが、友樹君の苦しみや夢、そういった命をほんの数千分の一でも受け止められるように勉励するつもりです。
私もいつか警察が正しい姿に立ち戻り、国も教育も、二度と若者のなかから悲惨な事件の加害者、被害者を出さないようになるように、これからの社会の一員として頑張ってまいります。
学生でありながら乱筆乱文、まことに失礼いたしました。
 そして、最後になりましたが、飯島様におかれましてはどうかお気を落とされませんよう、そしてご壮健でいらっしゃいますよう。
私以上に、このような悲しく、やりきれない気持ちを持った人が、一人でも多く現れますよう、祈っております。
                    森上