加害者の保護者の方、子供さんを愛しておられるのですね。
愛しているから、かばっておられるのですね。
相手が悪くてもお前が謝れ、と言われて育てられ、何をされても相手を責めることができずいじめられ続けた私は、あなたの子供さんをうらやましくさえ思います。
ただしそれは、ケンカのレベルまでの話です。
A君という知り合いの話です。本人には了解を取っていますので紹介します。
A君は中学校時代、家でも学校でも大荒れで反抗を繰り返していたそうです。ある日A君は担任のB先生(女性)の胸をさわり、放課後生徒指導室に呼び出されて注意されたそうです。それでもA君は教師たちの前でふざけた態度を改めずソファにふんぞり返っていたといいます。
しばらくして呼び出されていた彼の父親が血相を変えて学校に駆け込んできました。そして指導室に飛び込むや、B先生の足元にガバッと土下座して、
「B先生申し訳ございません!!
うちの息子が先生に失礼なことをしまして、本当に本当に申し訳ございません!!!」
と頭を下げたそうです。
A君はこの話をするとき、いつも涙ぐみます。
加害者の保護者の方。たとえ世界中の人が声をそろえてあなたの子供さんに、
「君のしたことは間違っているんだ! 謝らないといけないんだ!!
償わないといけないんだ!!!」
と説得しても、保護者であるあなたが我が子可愛さにかばっていては、気づくことができないのです。
罪を犯した子供が少年院や刑務所を出る日に、その玄関まで迎えに来た保護者が子供を「バカやろう!!」と涙ながらに殴ったら、二度とその子供は罪を犯さないが、「うちに帰ろう」と優しく保護者に抱きしめられた子供は再び少年院や刑務所に戻ってきてしまうと聞いたことがあります。子供の間違いを正す最後の砦が保護者なのです。
間違いに気づかないのは、間違いを犯すことよりも不幸なのではと思います。しかも暴力で人の命を奪うという取り返しのつかない大きな間違い・・・。あなたには体を張ってでも可愛い我が子に間違いを気づかせてあげてほしいと思います。
もし子供さんがどう教えても気づけなければ、あなたが子供さんの前でゆうきくんやゆうきくんのお母さんに土下座して謝る姿をしてみせれば、それだけで子供さんの心は動くと思います。
ゆうきくんに手を合わせに行ったら、ゆうきくんのお母さんが金属バットや角材を持って仁王立ちになっているなんてことはおそらくありません。あなたやあなたの子供さんは世間を震撼させましたが、あなたやあなたの子供さんに対して、世間は野蛮でもなければましてリンチなどしません。あなたがもし体調を悪くして道で倒れていたら、救急車を呼んでくれる人はいても自転車でひいて行くような人はいません。額に油汗をかいているからといってタオルで拭いてくれる人はいても下半身を裸にしていくような人はいません。
もし、今、ゆうきくんのことであなたが子供さんと戦っているのなら、私はこの意見すべてを撤回します。ただ、ゆうきくんのお母さんにあなたが戦っている最中なのを電話でも手紙でもいいので報告してほしいと思います。あなたが少しでも動くことで、あなたの子供さん、天国のゆうきくん、ゆうきくんのお母さん、そして社会に、大きな希望が生まれるのです。
アンソウルでした。