HP開設3周年だそうですね。遅れ馳せながら、おめでとうございます。

長崎の事件の直前ですが、大学で、後輩の子と話していたら、たまたま「犯罪被害者の会」の話がでました。
彼は、今年入ってきた1年生で、おじさまが会の活動に関わっていらっしゃるそうです。そのおじさまに、「お前も東京に出てきたんだから、ちょっと手伝えよ」と言われ、会の関係者の方にお会いする機会も多いとのこと。

へえ、すごいね、すごいね、と能天気に盛り上がる私に、彼は、別に得意になるでもなく、淡々と、「○○弁護士にも会いましたよ。立派な方っすよ。」「この前、○○さんと食事しましたけど。」などと、ぽつりぽつりと話してくれました。

家に帰って、思いついて「犯罪被害者の会」のHPを見てみたら、後輩と同じ苗字の男性が、理事として上がっていました。珍しい苗字ではありませんから、もしかしたら偶然の一致なのかもしれませんが、もしかしたら、これが彼のおじさまなのではないか、とはっとしました。

犯罪被害者の会で理事までなさっているということは、おじさまも犯罪被害者のご家族でしょうし、だとしたら、後輩の彼もそうだということになります。彼の話を、まるで「SMAPに会った」とか「成田でベッカムを見た」というようなミーハーなレベルで聞いていたことをほんとうに申し訳無く思いました。

ただ、そのときの彼の話によると、犯罪の被害に遭われた方のご家族のところに、会の方が伺っても、かなりの数の方々が、「そういった会の活動には加わりたくない」とおっしゃるそうです。それどころか、「関わりたくないので、連絡しないでくれ。放っておいてくれ」とまでおっしゃる方も珍しくないとのこと。

普通、私たちがTVや書籍で知ることのできる被害者家族の方々は、そういう被害者の会に加わり励まされた、という方々がほとんどです。まさか、「被害者の会に関わりたくない」などとおっしゃる家族の方がいらっしゃるなんて、私には想像できないことでした。

ほんとうに傷ついて、会に関わる気力さえない、あるいは、そういった会の活動に加わることで、事件を思い起こすのがつらい、という心理でしょうか。いずれにせよ、そこまでの絶望というのは、私の想像の範囲をはるかに超えています。

また逆に、そんな絶望の中で、声を挙げ行動を起こしたご家族のつらさ、そしてその勇気も、想像以上のものなのだと思います。

これまでも十分に頑張っていらっしゃる飯島様に、頑張って下さいということばをお送りするのは相応しくないですね。
でも、涼しい夏とはいえ、梅雨もまだ明けませんし、すっきりしない天候ですので、どうか、お体お大事になさってください。

 ペンネーム PAL