「……若輩者の生意気」どころか、何時も私ごとき老輩に感激を与えます。
私は、少年法改正に精根注がれている飯島様、そして、その他の皆様に逆らいながら、今でも、その方向の間違いを頑なに説明するものです。
文明が進歩すればするほど、沢山の学習・経験を経なければ、一人前の大人になれるとは思いません。結婚適齢期も昔に比べれば、相当高くなっています。環境さえ整えば、青少年は小中高大、大学院5年を加えても、6,3,3,4,2,3と21年間も勉強ができます。それでも、通常は一人前の大人とは言えません。
たとえ、環境乏しく、職に就いたとしても、職場では、彼に丁寧に一から10までを教える筈です。職人世界で言えば、10年を要する訓練作業です。これは、人生においても同じです。なぜ、20歳を大人と見るかが不思議なのです。少年年齢は文明尺度です。
日本が戦争を放棄する為に、世界の理想社会を目指す為に、20歳にまで少年年齢を引き上げたことは事実です。
それをわざわざ、18歳にまで引き下げて、日本の文明を値踏みした人々が許せません。
世界を見れば、分る筈です。失礼かもしれませんが、文明度の低い国々では、少年兵が重宝がられます。ゆうき君の年頃では、人を殺し、また、自分もまた殺されに行きます。それは、あの輝きの瞳を持つ子供たちが悪いのではなく、それを強制する大人社会が悪いことは誰でもが知っている筈です。
日本は、理想国家を掲げて、再出発したのは、現在の後進国での少年兵のように、目を輝かせて、戦場に散っていった特攻隊を2度と出させない為の誓いであった筈です。
現在の軍隊制度がこうした若者を必要としていることは疑う余地がありません。しかし、若者には、戦争技術、特攻精神ではなく、もっともっと文明の全てを知って欲しい。それを後世に伝えて欲しい。そのためにも少年年齢は、なるべく高い方がよい。
私たちは、犬猫のように罰されるから従うという時代にいつ戻ったのでしょうか。鱸 一浪殿がいうように、赤ん坊を育てるように、その自発的な生を大切にしながら、社会常識ではなく、生きることを教えることで、自らが学習力を身につけるようになった筈です。
決して、社会の法律を知って大きくなるわけではないのです。それでは、どの親が社会の法律を正確に教えることが出来ますか。親なり、地域なり、学校が教えることは、子供たちが生きる術を身につけるようにすることです。
少年犯罪は、あくまでも社会が招いた異常現象です。この社会にある病巣を多々あり、その限りでは防げません。もともと法には予防機能はなく、あっても特殊なものですから、少年犯罪=少年法改正という、文明発展を逆なでするような発想が理解できないのです。
死刑にしても、人が人を裁くという犯罪は無くすような努力が世界文明の流れであります。
ゆうき君の事件は悲しい。だから、この事件を起してはならないと誰もが知恵を絞る。その知恵の出し方が、出来れば、飯島さんがなされている「人々に事実を伝える」遣り方であって欲しい。決して、法制度に短絡させたり、報復反覆などであってはならない。何よりも、この事実が犯罪者に、繰り返し繰返し、彼らの心が蘇るまで伝えて欲しい。彼らはまさに、今、この事件を忘れようとしている。しかし、忘れてはならないということは全員一致しているのだから、そのための努力を注ぐべきである。一番、この役割を担うのは被害者の親御さん、親族、地域、学校である。そして、これらを報道してしまったマスメディアである。加害者と同じに、一過性のように事件を絶やすマスメディアの責任が一番重いかもしれない。残念ながら、その歩みは始まったばかりである。
飯島さんは当たり前のことをやってらっしゃる。だから、我々は最大の敬意を表する。このホームページは当たり前のことを述べてくれている。だから、皆様が毎日参加する。
この当たり前のことが出来る勇気を持って欲しいし、知って欲しい。と飯島さんの意志を理解します。
志田糺