私は、下記の意見に賛成するものです。 

>「ただ バイクを盗んだだけ・・・」との発言
>そうとられるような発言は
>お止めになられた方が良いと思います。

 確かに、多くの方がおっしゃるように、犯罪者に対する「私的制裁」は許し難いものです。自力救済が民事上・刑事上でも禁止されている日本においては、バイクを盗んだ者に対して盗難被害者が報復を加えて死に追いやることなど、決して許容されてはなりません。これは当然のことです。

 しかし、2581のご意見を寄せた「はら」さんも、そのことは良く承知のはずです。

 はらさんの意図は別にあります。その真意をよく考えてください。

 日本におけるバイク盗難は非常に多く、しかも、その車両価格が高いにも関わらず、その盗難の多さから、自動車盗難保険等にも入り難く、警察に被害届を出してもろくに捜査をしてもらえず、大抵は盗難車両を発見できずに終わります。盗難車が見つかったとしても、再使用不可能な状態となっていることが当たり前です。

 そして、この財産的被害は、最終的にバイクの持ち主であるライダーが負担することになります。

 何度もバイクを盗まれたライダーも多く、中には購入直後に大して乗っていない内に盗まれてしまう可愛そうなライダーもいます。

 彼等にとっては、「ただ バイクを盗んだだけ・・・」という言葉が、刃のように胸へ突き刺さり激しく心が痛ませるのです。

 その心の痛みについて、はらさんを批判する方々は想像したことがありますか?
 ・・・おそらく、想像できないのでしょう(あんなに批判されるのですから)。

 ライダーは社会にはびこる偏見から数多くの差別を受けています。そして、バイク盗の被害者でもあります。彼等にも、他の犯罪被害者の皆様と同じように「これだけは言って欲しくない」という言葉があるのです。

 私は「ただ バイクを盗んだだけ・・・」という発言に潜む”危険性に危惧を覚えます。
 
 その意識が、下記のような問題をも引き起こすからです。

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http://www.yomiuri.co.jp/00/20030130i104.htm

「万引き中3死亡事故で嫌がらせ電話、書店閉店へ?」

 川崎市川崎区の古書店で同区内に住む中学3年の男子生徒(15)が万引きした後、近くの京浜急行踏切内で電車にはねられ死亡した事故で、警察に通報した古書店に対し、「人殺し」「配慮が足りない」などと非難する電話やファクスが相次いで寄せられていたことが30日、わかった。ショックを受けた店長の男性(44)は近く閉店する意向を漏らしており、店頭に謝罪文を張り出した。

 男子生徒は今月21日夕、漫画本6冊を上着の中に隠して万引きした。防犯カメラで様子を見ていた店長が呼び止めたが、生徒が連絡先を話さなかったため、警察に通報。生徒は川崎署員が署へ任意同行しようとしたところ逃げ出し、電車にはねられた。

 古書店は26日から休業中で、店頭に張り紙を掲示して経緯を説明。「配慮が足りない」との指摘に対して、「尊い命が失われたことを重く受け止めております。返す言葉がありません」とした上で、「年間10人以上の万引きの対処に加え、実害がその何倍に及んでいる。捕まえた一人一人に対するきめ細やかな配慮まで行う心の余裕がなく、性格や置かれた環境、背景を的確に洞察する能力はなかった」としている。
川崎署によると、男子生徒の両親は「子どものせいでこんなことになってしまい申し訳ない」と話しているという。

(読売新聞1月30日14:32)

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 この古書店のご主人は、日々の生活を支える本屋の経営を諦め、閉店しなければならないほど、悪いことをしたのでしょうか。

 彼は、日々繰り返される「万引き被害」に悩み、その問題の解決を警察に委ねる為に「警察へ通報した」だけです。

 しかし、その後の警察の不手際から、少年が踏み切りに入り電車に轢かれたことにつき、彼の生計を奪うような「人殺し」「配慮が足りない」などと非難する電話やファクスを、この可愛そうな古書店のご主人に浴びせるのは許されるのでしょうか。

 この事件についても、はらさんを批判される方々は、  「たかが古い漫画本6冊を万引きした位で警察に通報するからだ」と、古書店のご主人を批判されるのでしょうか。

 私は、この場で「はらさん」が非難されるのと、同じような「危険性」を、この事件から感じ取るのです。


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佐久間清十郎