飯島京子さん、このHPを御覧の皆さん、初めまして。
私は20歳代、家には小さな男の子がいます。
もう3年前になるのでしょうか、当時大々的に報道され、またゆうきくんの通っていた高校が私の住む市と同じ学区だったことから、この事件は私の胸に非常に強く印象に残りました。
当時からこの事件をご存知の方は、きっとそれほど多くないでしょうね?
ゆうきくんの通った学校の評判、不良達の評判、その他をご存知の方も少ないでしょう。
皆さんの御意見を見ていると、そういう客観的判断材料のないままに書き殴っている方もいらっしゃるようですから、この際、そういう客観的判断の素材として、私の知る限りのことをお教えします。
その上で判断が変わることもあるでしょう。
ゆうきくんの通う学校は、埼玉県立高校の中では最も下のランクです。
名前を書けば入学できるという悪評まで付いており、また教師の中にも教え子と関係を持ち、妊娠させてしまったのを期に、教師は他学区の高校へ、教え子は自主退学へ追いやられたという歴史もあります。
また、不良学生が県内の高校で最も多いことでも有名です。
不良達の評判は、それはもうひどいものだったようです。
確か「あいつらならやるかもね」というようなことを話していた学生がいました。
また学校のある柳生駅、遺体の見つかった新古河駅は共に東武日光線の駅なのですが、両方とも1日の乗降客は少なく、また駅付近の環境はあまり良くありません。
新古河駅は東武鉄道が割合最近になって新設した駅(確か10年ちょっと前だったと思います)で、東武鉄道系不動産建設会社が宅地開発し建売住宅を販売しているのですが、売れ行きはとても良好とは言い難く、駅前に展開する大きなショッピングセンターや商店街もない、確かに町並みは綺麗ですが、夜に人通りがないところです。
きっと助けを呼んでもどなたにも気付いてもらえなかったであろう、ゆうきくんにとっては正に最悪の環境です。
柳生駅は古くからある駅で、駅舎自体非常に古く、簡素な作りになっており、周辺は昔から住んでいる方がほとんど、しかも家がひしめき合って建っているとは全く言えない環境です。きっとこの駅付近で暴行を受けた場合でもどなたも助けに来てくれなかったでしょう。
しかも、東武日光線は新古河駅の手前、南栗橋駅付近に車庫があるため、南栗橋駅終点列車はかなり遅くまで出ていますが、南栗橋駅以北は早い時間に終列車が来ますので、そういった意味でも宵の口には人気がなくなります。
だから何なの?と思う方も大勢いらっしゃることでしょうが、再考してみてください。
例えば、新宿歌舞伎町で喧嘩があったら周囲が立ち止まり、警察官がすごいスピードで駆けつけるでしょうね。繁華街は常に人が多いし、警察官だってたくさんいます。中には見ているだけでなく助けようとして下さる方もいるでしょう。
世田谷や杉並の住宅街でも、不審な物音を聞いたら恐怖を感じて警察に通報する方もいらっしゃることでしょうね。
しかし、事件は開発途中の寂しい町で起きています。 周囲に人気は無し、コンビニも乱立しているわけでなく、助けを呼ぼうにもどこを向いて叫んだら良かったのでしょう。そんな状況で誰が来てくれたというのでしょうか。
「盗んだから殺されても仕方ない」と言う方に、「盗みと殺しは五十歩百歩」という方に、是非そのような状況で、しかも「制裁」という名を借りて複数人に暴行を受けることを想像して頂きたい。
想像できないと言うならば、一度経験されてみてはいかがでしょう。もちろん私以外にもお手伝いして下さる方はたくさんいらっしゃるのではないかと思いますが?
私は、「罪を犯したからしかたがない」というお考えをお持ちの方に、是非聞いてみたい。
自転車盗んだことありますか?自転車はないけど傘ならありますか?傘はないけど落ちていた10円玉ならありますか?私はあります。10円玉も傘もありますよ。10円玉は「落ちてたから」傘は「電車に置き忘れていて外はどしゃ降りだったから」「ビニール傘だったから」「忘れる人が悪いと思ったから」。
理由なんていろいろありますけど、『申し訳ないなぁ』と思いつつもやってしまいました。
バイクだってそうだと思います。鍵が付いていたら、それは乗りたくなるんじゃないかなぁ。
周囲に人がいなかったら、「ちょっとだけ・・・」と思うんじゃないかなぁ。
余程ピカピカの新品じゃない限り、車だって路上に捨てる人がいるんだもの、バイクだって捨ててあるのかも、と思うんじゃないかな。
だって、持ち主の名前なんてどこにもないですよ、きっと。自転車にペンキで入っているのと同じようにバイクに名前が入っているなんて常識じゃ考えられない。
だいたい、バイクを盗んだのがゆうきくんだって、彼らはなぜ分かったんだろう。その方が疑問じゃないですか?
調べれば分かると言う方、高校生や同じ年代の不良が興信所に調査依頼に行きますか?
もしかしたら、誰か知人が「あ、あいつらが乗ってた」と言っただけかもしれないですね。
彼らが「じゃあ、本当にあいつらが盗んだのか」なんて調査しないでしょうね。
ということは、もしゆうきくんが盗んだつもりではなく、これは仮にですが、学校の同級生のバイクだと勘違いして、「あとで、借りちゃった、ごめんねって言えばいいや」と思って乗っていってしまったのだとしたら、あとでその同級生に「借りちゃったんだ。突然でごめん」と連絡して「いや、俺のじゃないよ」などと返答されたときに『他人の物を盗んだことになっちゃった』と気付いたのだとしたら、どうなっていたでしょう。
それでも殺されていたでしょうね。
謝罪しても無駄だったことでしょう。
「盗むような子供に育てた責任」があると言う方、ほんの出来心で親のお財布からちょこっとだけお金を抜き取ったことがあれば、おじいちゃんおばあちゃんに、本当は別の使い道があるのに勉強の本を買うから、とお金を余分にもらったことがあれば、それは「盗む」という行為そのものですから、あなたのお父さんお母さんにも「盗むような子供に育てた責任」がありますね。
あなたの子供が将来、あなたに嘘をついてお小遣いを多めにもらうようなことがあれば、あなた自身にも「盗むような子供に育てた責任」がある。
どうぞご自分の胸に手を当てて下さい。
ペンネーム:りょう