テレビ報道によって、私共被害者の耳に、様々な考えが、入ってくる事を覚悟の上で、それでも 悩みながら、出演依頼を受ける事にしたのです。
娘は、「弟は、なにも悪い事をしていないのに 殺されたのだから、顔も、名前も出される事は、平気である」と、言いました。
 
4時間の収録を、1時間半ほどの番組に、作り上げるには、娘の発言も、もう一人の被害者のお母様の発言も、カットする事は仕方のない事だったと思います。
その場にいらした出演者、スタッフ、弁護士の方々に、ほんの一言でも、被害者の生きた声を届けることが、できたことは、良かったと思っております。
 
加害者として、法律上、十分な責任を果たしたら、それで良しとする考えは、人間の心を忘れた者達の言う事です。
 
どのような形であれ、自分の行為が、相手の死を招いた責任は、生涯にわたって償うべきです。忘れてはならないのです。私共も、死ぬまでこの辛さ、くやしさ、無念さを、背負っていくのですから
 
私共は、決して後ろばかり振り向いているのではないのです。
自分達の体験を語る事は、辛いけれど、皆さんに知ってもらい、暴力や殺人を犯さぬように・・・
との思いで前を向いて行動しているのです。
 
もっともっと、被害者の本当の声を、皆様に、聞いて欲しい、知って欲しいと思います。
そして、この世から暴力、殺人、さらに、戦争もなくなってくれたら・・・と思います。
 
                                    札幌市    松尾