沢山の方のメールを拝見させて頂きました。
大半の方は被害者の悲しみ、苦しみを理解し又は少しでも理解しようと思っていると
言うご意見で安心しました。中には心無い誹謗中傷のメールを出されている人も居る
ようですが、その人は自分の肉親をこのような残虐な方法で殺害されても、
被害者ではなく加害者の立場を考えて行動できると自信があるのでしょう。
ならば自分が被害にあったときはどうぞそうしてください。
顔を出すわけでもなく、実名を出すわけでも無いのなら人の中傷はやめて下さい。
自分の意見に自信があるのなら実名でメールを出すべきではないでしょうか。
被害者の方の大半は刑事や民事で裁判を起すと思います。
民事となると損害賠償金という事になりますが皆さんはどう言う風に思われているのでしょう。
少年犯罪の場合、事件を詳しく知ろうと思うと民事裁判を起さないと事実は分かりません。
(少年法の改正により以前よりも少しは被害者側に伝わることもあるようですが。)
裁判には莫大な費用がかかります。
それを承知で親は裁判を起します。事実を知るため。又それほどの大きな罪を犯したということを
加害者側に分かってほしいから。
「裁判でかかった費用は慰謝料として返って来るだろう」と皆さんは思っておられると思います。
でも実際はどうでしょう。慰謝料をちゃんと貰えた人はいるのでしょうか?
加害者側は裁判で判決がおりる前に住宅ローンを組み支払能力がありませんと言います。
又破産宣告をして払えないと言う人も居ます。逃亡する人もいます。実際に加害者から支払われる慰謝料は
殆どと言って良いほど無いと思います。
ご意見の中に「加害者達は一生罪を背負って生きていかなければならないでしょう」と感じられてメールを
送って下さる方がいますが、私達が思うような自責の念など加害者少年自身も親も無いと思います。
自責の念がある人は破産宣告などしないし、慌てて住宅ローンを組んだりしないはずです。
持ち家があるなら処分してでも慰謝料を払うべきだし、財産を売ってでも慰謝料を払うことで自分の子供への
見せしめにもなるのではないでしょうか。人の子供を傷つけたり殺しておきながら、新しい家に住み何不自由無く
暮らしていれば、「俺が人を殺しても別に何もかわりないじゃん。」と思っても当然だと思います。
財産をなげうって、不自由な暮らしを強いられても慰謝料を払い続けてこそ罪を犯した子供が「自分の犯した罪の為に
こんな生活をしなければならない」と感じ、その時初めて自分の犯した犯罪の意味が分かるのではないでしょうか。
少年犯罪被害当事者の会から出版された
「話を聞いてください」の中で裁判で勝訴しても、自分に残ったのは
裁判費用の何千万円と言う借金と息子の墓だけですと言うお父様がいました。それが実情なのです。
うちも、昨年息子が集団暴行に遭い民事裁判を起しました。
加害者側は共同正犯と認められ裁判官に「まだ裁判を続けるつもりなのか。これ以上争うことは二次被害を
生むので和解する気は無いのか」と話があったそうです。加害者側も被害者側も和解する意思があるか
確認をとって7月2日に裁判所で最終の話し合いをすることになっていたのですが、当日先方の弁護士より
「依頼人と連絡が取れない。電話も外されていて居所が分からない」と言う連絡がありました。
これまでの準備書面を読みましたが、私がやくざな母親で子供の事件でお金にしようとしているとか、
加害者側の父親の会社に慰謝料をよこせと怒鳴り込んできたとか、誤りに言ったのに○○○万円払えと
まくし立てられて話が出来なかったとか嘘ばかりの書面を送ってよこして来てたのに、最後になったら
逃げるなどと言うのはまったく反省などしていない証拠だと思います。
被害者の実情はまだまだ世間に理解はされていません。
大事な家族を殺されて、莫大な費用をかけて裁判を起しても支払われる事の少ない慰謝料を世間様は家族が死んで
お金をもらったくらいにしか思っていないのです。
事実息子が教習所に通い始めたとき、同級生に
「お前はええな。慰謝料で免許取れて」と言われて帰って来ました。
実際慰謝料は大半が残っており教習所の費用が払えるほども支払ってもらっていません。事件から1年経ちますがまだ支払われて
いないのです。それも示談をしたのに。
世間の皆様にもっと被害者の立場を理解して頂き、心無い誹謗中傷が無くなってほしいと思います。
椿山