最近ある週刊誌に少年犯罪のドキュメントがあり、そのなかに滋賀県大津市で起こった青木悠君をリンチによって死なせた加害少年に関する記述がありました。彼は少年院のなかから被害者の両親と自分の友達にそれぞれ手紙を書いていたのですが、その内容が驚くべき内容だったのです。まず被害者の両親に宛てた手紙では軽薄な内容のなかに反省という取ってつけた内容の言葉があり、受け取った両親は反省しているふりをした偽善性を感じたといいます。だが彼は同じ時期に友達には全く違った自分の本心を手紙で吐露しています。自分たちがやった事(青木君を殺害したこと)が世間でどれほど有名になっているかをわざわざ聞き出そうとしているだけでなく、自分が少年院を2年で出られるという事を知って「力が湧いてきた。たった2年やからがんばるぞ」と書き、自分の良く知っている女性の名前まで明記して無反省なまま堂々とこの先の人生を自分だけのために謳歌する決意を述べ立てています。
この加害少年の無反省ぶりはおそらく氷山の一角でしょう。見過ごすことができないのは少年院で、彼はプロのカウンセリングを通じて、自分のやったことの重大さやこれから生きる上での心構えを十分にレクチャーされているはずだということです。にもかかわらずこのような無反省な状態でいられる少年たちが増加しているのは、やはり彼らが足元を見てしまうほどに今の社会体制が明確なけじめをつけないで甘やかしているからだと言わざるをえません。
私が危惧するのは、少年の凶悪犯罪に対する法のサンクションがこんなにも軽いものであれば、少年たちの犯罪とくに殺人やリンチ、レイプなどの一線を超えたものが将来、彼らの勲章にすらなってしまうのではないかということです。それが凶悪であればある程、社会復帰した暁には誰もが経験することが出来ない「勲章」になり「武勇伝」になりはすまいか。それでものを書いている人がいるくらいだから・・・・。世の中が激変し、かつての安定社会が根底からくつがえされようとしているときに、法や社会体制がきちっとした良心を示せなければ確実にそういう歪んだ世相になってしまう。
そういうことを考えさせられた記事でした。
宮城県在住 H.TAKATA(会社員35歳)