zucciniさんの言う通り、私は受験生で、夏休みの間だけここに現れる予定でした。もうとっくにそれは終わっていて、ここを去らなければいけないのですが、確認しておきたい事があるので書いておきます。あと、近隣でシンポジウムや集会がある場合、暇があれば、と言っても来年になると思いますが行くつもりです。
 
それは、「一定の個人が犯行をしたと言う、またはそれをほのめかすような事をいう場合、裁判で有罪判決が確定したもの以外についてはきちんと責任を持つ事」という事です。自分の名前は顕名にして、場合によっては所在地も書いて、名誉毀損訴訟覚悟の上でやるべきだと言う事です。きちんと証拠を立てて言うべきである事は言うまでもありません。
ある殺人事件で、一審無罪の後二審で逆転無罪判決を言い渡された男性が、別の件で逮捕、今度は事実であったらしく殺人で有罪判決を言い渡されました。これに対し、「前の事件も彼がやったに違いない、前の事件の冤罪が無ければ新たな被害者は生まれなかった」と言う主張が跡を絶たないのです。そういう人は前の事件の判決文も読んでいません。証拠立てている人などお目にかかった事がありません。よくて心理分析しているのが小田晋教授1人で、それも具体的証拠についての言及はないままです。自己顕名をきちんとしている人はもう少しいますが、ここでも話題に登る掲示板をはじめ、少なからぬインターネット上言論においてそうしている人は0です。被害者の人権云々を言いたてる人もいますが、前の事件と彼の関係を証明できもしないのにそう称するのはとんでもない間違いでしょう。まして、それが人権屋の捏造だなんだと言う主張など全くの言いがかりです。
全く関係ない事件なのですが何故これをここで言ったかというと、このHPでも、実はそれに近い事があるからです。京子さんが、傷害致死と言う認定を、殺人である!と言うのも、一番最初に言った事例に該当すると言う事です。ただ、彼女はきちんと自分の名前を出して、証拠を立ててその上でやっているので、それ自体については問題があるとは思っていません。が、皆さんはそのようなマネを簡単にして欲しくない、マスコミが何か言ったとか、別件で有罪だったと言って有罪と断定、あるいはほのめかすような事をしないで欲しいという事です。それはよほどきちんと調べた者だけに許されるものです。そうでないのは、名誉毀損が成立する可能性もあります。真実と思うだけの理由も無いのに<別件有罪や報道では不十分です>濫発は認められていないからです。皆さんもその点について気をつけてください。つい正義感で言った一言でも、重い意味を持つ事があります。ここだって、出版同様不特定多数の人間の目に触れる所ですからね。
 
10月号の月刊「創」で、浅野氏と沖縄婦女暴行事件で日弁連に申し立てなどをした被害者の女性の話が掲載されています。ショッキングな事に、報道各社にも、インターネットの低劣な掲示板にも実名が出されていないと思われる女性が正体を突き止められ、報道被害にあった状態が紹介されています。報道被害の話ならこのHPの事件も含めていくつか知ってましたが、これはさすがにギョッとなりました。zucciniさんの言った大阪の児童殺傷事件の話にしても、このHPの事件や京都児童殺傷事件<てるくはのるの事件>にしても、被害者の皆さんは「自分の味方」のうち、マスコミも、警察も信用できないというのでは誰を信じたらよいのか分からなくなってしまいます。私にとってもっと悲しいのは、そういう週刊誌が少年法改正を推し進める力になったのではないのか、だとすると本気じゃないのかと言う私の内から来る疑問に自分で「NO!」とはっきり言えない事でしょうか。それによって正当性が変わるとは思いませんが・・・。
 
最後になりましたが、私は、報道のリンチも、犯人の少年たちのリンチも、似非正義漢の嫌がらせによるリンチも認めません。そして、処罰好きが活動しやすくなるための少年法改正論議など、意味はありません。個人的には一部で言われる実名報道含む極度な重罰反対、少年院に行くと言う選択肢も残し、積極的に活用すべき、無罪の可能性→人生の半壊を考えれば事実認定、手続の被告人に対しての「甘さ」も多少はやむを得ず、また事実認定段階では時として被害者の皆さんを置き去りにしてしまう可能性の存在を考えています。しかし、「本当に」被害者の事を考え、また無実、家族への害等いろいろな可能性についてしっかりと考えた上での議論・意見なら、私は喜んで認めます。それがまるで無いYahooの少年法や刑罰関連のトピは全部引き払う前に先に引き払いました。ここは遺族の方が直接運営するだけあって、話もかなりソフトに、より本質的に進んでいる印象を受けました。短い間でしたが、どうもありがとうございました。時間があれば、またお会いする事が出来るかもしれません。
イリス