はじめまして。
東京都内に住む高校1年の者です。
先日マイ・エンジェルを知りまして拝見させて頂きました。
胸がいっぱいになってしまい、とても哀しくなりました。
友樹くんはとても友達思いの少年だったんだなと思いました。
友達をかばったばかりに自分に濡れ衣がかぶさるなんて随分と理不尽ですね・・。
わたしは一緒に暴行を受けたお友達にも加害者と同じくらいの罪があると思いました。
鬼畜と化した加害者少年の手から唯一、救いの手を差し伸べる事の出来た友達が一人でサッサと帰りその後も誰にも連絡をしなかった。
助け舟を出さなかった・・・呆れて何も言えません。
ひどい暴行を受けている事を知っていて見殺しですか?
あとで通報した事が加害者少年にばれたら怖いからって見殺しですか?
友樹くんは濡れ衣でひどい暴行をうけているというのに・・。
罪をなすりつけておいて、これが友達のする事でしょうか?
加害者少年にも腹立たしいですが、わたしはこのお友達も許せません。
トムとジェリーというアメリカのアニメがあるのですが、あったかい話が多くて大好きです。
その中でも一番、感動した話なのですが友樹くんはまるでこの話の中のトムみたいな人だなと思いました。
■友情■
ジェリーが大人になった頃トムはもうこの世にいませんでした.
トムは自分の命の終わりがすぐ傍まで来ているのを知ったとき,
こっそりジェリーの前から姿を消しました.
ジェリーの前で弱って涙もろくなった自分を見せたくなかったのです.
トムはジェリーの心の中ではずっと喧嘩相手として生きつづけたかったのです.
トムがいなくなったのに気づいたときジェリーは悲しみはしませんでしたが,
退屈になるなと思いました.
トムとの喧嘩は最高にスリルのあるゲームでしたから.
胸の奥が不思議にチクチクはするのですが,それが何なのか,
ジェリーにはよくはわかりませんでした.
トムの願い通り,ジェリーの心の中でトムはいつまでも仲の悪い喧嘩相手でした.
そんなある日ジェリーの前に一匹の猫が現れました.
トムよりのろまで体も小さい猫です.
喧嘩相手のトムがいなくなって寂しかったジェリーは,今度はこの猫を
喧嘩相手にしようと考えました.
そこでジェリーは,穴のあいた三角チーズが仕掛けられたねずみ取りを
利用して,その猫に罠をかけることにしました.
いつもトムにしていたように.
ジェリーは物陰に隠れて,ねずみを求めて猫がねずみ取りの近くに来るのを待っていました.
そして思惑通り猫が罠に向かって近づいてきます.
ジェリーはしめしめと思いました.
いつものように,自分がねずみ取りにひっかかるふりをして,逆に猫をねずみ取りにかけてやるんだ.うふふ.
手か尻尾を挟んだ猫の飛び上がる姿が頭に浮かび愉快です.
でも,その猫はトムではありません.
猫はチーズの近くまで来たとき,ジェリーが出てくるより早く美味しそうなねずみの匂いに気づき,
目にもとまらぬ速さで隠れていたジェリーに襲いかかってきました.
ジェリーはいつもトムから逃げていたように逃げましたが,
トムよりのろまなはずの猫にすぐに追いつかれてしまい,体をガブリと噛まれました.
ジェリーも噛みつき返しましたが,トムより体が小さいはずの猫は平気です.
血まみれのジェリーは薄れ行く意識の中で,本当はねずみが猫と喧嘩して勝てるわけがないことと,
いつもトムはジェリーに「してやられた」ふりをして,
わざとジェリーを捕まえないでいたことを,そのとき初めて知ったのです.
トムの大きな優しさと友情に気づいたのです.
そしてトムがいなくなった時の胸の奥のチクチクの正体にも気づきました.
かけがえのない友を無くした悲しみでした.
ジェリーの魂が体を抜けた時,空の上には優しく微笑みジェリーを待っているトムがいました.
「また喧嘩ができるね」
「のぞむところさ,今度こそは捕まえてやるぞ」
川崎亜紀子