関東の精神病院で勤務する精神科医です。
私は指定医を有しておりますので、当然、触法患者の治療(収容)も行いますし、措置入院の判断もいたします。
そんな中、常々強く思うのは「罪は罪、病気は病気」です。

私は民間の成人を対象とする病院に勤務していますが、措置入院患者には未成年もいます。
そのうちほとんどはシンナー、覚醒剤後遺症ですが、やはり、彼等には反省も内省も認めません。
中学で、非行に走り、シンナーを覚え、軽犯罪をくり返すうちに不登校となり、中学を卒業しても就職はかろうじて塗装業で、そこでもやはりシンナーから離れられず、中毒症状を起こします。

家庭内暴力はもちろん、ひどいケースでは自宅に放火し、近隣の家まで、全焼させたというのもあります。
生活経験値の低い彼等がただ病院に収容されるだけでは技術取得の機会もなく、自らが行い、社会に損失を与えた重大さは理解できるわけもありません。
精神病はまだまだ、近代医学では未知の部分が多く、分裂病の症状の中には凶暴性や、尊大な性格もたしかにみられます。
それとここのところ精神病の若年化もはっきりしてきていて、本来ならば収容しない14歳15歳をやむなく収容する事も多くなりました。

極めて私見ではありますが、こういったケースはやはり親にかなりの責任を感じます。
しつけ、教育といったものが彼等の精神にどれだけの重要な意義を示すか、深刻なケースに出会うたびに教育の大切さ、親の責任の重さを知ります。

命はどの命もたったひとつです。
それを心ない未熟な人間に踏みにじられた親御さんの気持ちははかりしれません。
きっと私はあなたの本当の悲しみに届く事はないでしょうが、どの子供にも日本という国にうまれたのであれば、文部省が定めた教育を受け取得する権利も義務もあります。
あなたのおこさんが本来これから、学ぶはずだった事、理解し、駆使することで、得られるはずだったたくさんの思いを考えると残念でなりません。

加害者もしかりです。
どういう環境にいたこどもたちかよくは知りませんが、どのこどももうまれた瞬間は世の中が祝福したはずです。「うまれてきてくれてありがとう」という存在だったはず。
そのこどもたちの感情のずれや衝動性の悪さの是正をなぜ見守るべき大人ができなかったのか。
世の中を指示し、支えてゆくのは常に子供達です。
こういった事件がもう二度とくり返されないように、今を生きるこどもたちに教えなくてはいけません。
人がどういう理由であれ、人を傷つけたり、もて遊ぶ事は決して許されないのです。
なぜならば、それが人だから。
たとえ未成年であろうと裁かれるべきです。
精神を病んでいるのならばなおさら、修正と矯正が必要です。
被害者の家族が心から笑顔になる日がこないのであれば、加害者はたとえ、刑期をまっとうしたとしても本当のつぐないは終わらないのではと思います。

どうかあなたの毎日がただただ辛いばかりの日ではないように祈ります。
あなたもこの世でたったひとつの命です。
大切に大切にしてください。
様々な法律や権力に押しつぶされてしまう時もあるかと思います。
でも、どうか、すこやかに生きて下さい。
具体性に欠けた、まとまりのないメールでごめんなさい。
力になれる事があればぜひ協力させてください。
すばらしいホームページをありがとうございました。
これからも拝読させてもらいます。
YUUKIくんも応援してますよ。ね。
                   美香