疑問@国それぞれなのになぜアメリカのデータ―なのか?
たとえ国それぞれであったとしても厳罰化を導入することによって統計にどの
ような影響をもたらすのかその結果はたいして変わらないだろうと判断したからで
す。というのも
厳罰化が犯罪を抑止するメカニズムとして罰則を重くすることにより罰を恐れて犯罪
をしなくなることがあげられています。ですからもしそうであるなら日本とアメリカ
の両国の違いを意識する必要はないと思うのです。要は人は重い罰を恐れて犯罪を犯
さなくなるのかどうかでしょ?数ある国の中でアメリカを選んだのは少年法を厳罰化
した国でありそれに関する情報が得やすかったからです。
疑問A厳罰化とは?
私がイメージする厳罰化は刑期を長くすることです。なぜかというと厳罰化が
犯罪抑止に効果があると信じて疑わない人々はたいてい少年法は甘い今より厳しくす
れば犯罪は減ると主張します。つまり刑期を延ばせばそれを恐れ犯罪を犯さなくなる
そう主張されているからです。
疑問B一斉に同じ法律を導入したのか?
私は1457で「1970年代末に・・・・」ではなく「1970年代末から
・・・・」と記述していることから察しがつくと思いますが各州に同時に法律が導入
されたのではありません。また同じ内容の法律ではありません。数年にわたるタイム
ラグがあるのではとの指摘がありましたが私が提示したデータ―は1年や2年による短
期間のものではありません。それと少年犯罪に70年代末から85年にかけて大半の州
が厳罰化を行ないましたが88年から92年にかけて殺人などの少年犯罪は68パー
セント増加しています。
疑問C1994年以降の統計の変化は厳罰化による効果ではないのか?
仮にそうだとすればなぜききめが出るのにそんなに時間がかかったのですか?
またアメリカは厳罰化政策を行なう一方で保護や犯罪予防にも力をいれています。そ
れなのにどうして94年以降の統計の変化が厳罰化によるものだと主張できるのです
か?以上2つの点で疑問が残るからです。
疑問D前々回の大統領選で両陣営が厳罰化政策を支持したのはなぜか?
正直分かりません。ただドイツも近年少年犯罪が問題となりましたが厳罰化に
よってのりきろうとはしていません。一概に大統領が厳罰化するべきと演説したから
厳罰化に犯罪抑止効果があると結びつけるのは早計ではないでしょうか?それとアメ
リカは保護、更生あるいは犯罪予防教育といった方面からも力を注いでいます。特に
90年代に入ってからその活動は活発化しています。アメリカが厳罰化だけで少年犯
罪に対応していると思ったら大間違いです。なぜ厳罰化だけでなく他方向からのアプ
ローチが必要となったのかそれは厳罰化で少年犯罪を克服できるというのは幻想であ
ると気づいたからでは?
疑問E再犯率に関するデータ―は信用できるのか?
再犯率に関するデータ―は日本でも同じ結果が出ています。また少年院と少年
刑務所との役割の違いから考えても明かです。
疑問F少年法改正を望む真意がわかりませんか?
私が1457で対称としているのは厳罰化に抑止効果はあると主張されている
方々にたいしてです。少年法改正を願うのは別の目的からであるというのは分かりま
すが現に抑止効果はあると主張される方々がいるのでそれに反論したままです。
少年法改正について
私は少年法改正反対の立場をとっていません。少年法は改正するべきだと思い
ます。その目的は犯罪被害者の権利獲得、向上であり犯罪被害者の権利宣言が参考に
なると思います。具体的には知る権利や陳述権であり、少年審判も犯罪被害者に対し
ては公開すべきだと思います。
厳罰化について
厳罰化は犯罪抑止につながるそう主張する人は大勢います。しかしこの掲示板
でも実際にそのことを証明した人はいません。駐在員さんが疑問に思っていることは
何一つ
厳罰化が犯罪抑止に効果があるということを証明しているものではありません。私は
どうしてもそこが腑に落ちないのです。少年法を改正して犯罪抑止を期待する以上根
拠となるデータ―を示してほしいのです。犯罪統計が私の最後の砦だとおっしゃるな
ら駐在員さんはその砦さえ持っていらっしゃらないのでは?
トラトラ