被害者は事件によって様々な感情を感じます
自責感、憤怒、屈辱感、悲嘆
その中で自責感とは自分で自分を責めとがめることを言いますが
なぜ被害者は自責の念にかられるのでしょうか
その原因の一つに犯罪の被害にあった理由を自分の過失として求めようとする事が挙げられます
これは被害体験を現実のものと認識する為に被害にあった理由や意味を理解しようとするためです
例えば、「夜遅くまで出歩いていたから襲われたのだ」といったようにです
では加害者ではなく自分自身に理由を求めてしまうのはどうしてでしょうか
理由は主に二つあります。一つ目は加害者側の理由が理解しにくいからです
二つ目は多くの人が普通に生活していれば犯罪に遭うわけがないといった考え方をしているからです
ですから加害者に理由を求めることを被害者はめったにしません
しかし私達は本当にそのような偏見を持っているのでしょうか
いまから15年ほど前の豊田商事事件を思い出してください
多くの人がこの事件を欲深い老人が騙された事件というふうに当初思っていたのではないですか
つまり欲深い人と普通の人とを区別して、欲深い奴だから犯罪に遭ったのだと認識していたのでは
私達はこの様にして一般人と被害者を差別化し被害者には何らかの落ち度あるいは後ろめたいところ
があるから被害に遭うのだと思いこんでいるのです。
これらのことから言えるのは、本来被害者は自責感を感じる必要はまったくないということです
責任は加害者側にあり、あなたも悪いと言うような指摘はそのほとんどが先ほど述べ
た偏見からきているものです。

kazuhito katanoさんへ
被害者遺族の場合自責感が特に強く表れます
その特徴としてまったく関係無いことでも自分に非を求めます
また自分が生きていることに対して罪悪感を感じることも少なくありません(生存者罪悪感)
ですから被害者遺族は自分たちの非を認めていないという指摘は間違いだと思います
被害者遺族は常に自分を責め続けているのです
ただ前述したように私は本来被害者が自責感を感じる必要はないと思っていますが
この事件に関しても被害者側に帰責性はないと思います
それは窃盗という行為に対して結果が死であるということから考えても明かだと思うのですが
katanoさんの発言は被害者の傷口を広げさらに苦しめます。どうかその点をもう一度
よく考えてください。
                                      
                                      
       トラトラより