飯田啓子様

私は自分に降りかかった火の粉を払い除けるのに躊躇も容赦もしません。

貴方様は私の返事にはお答えにならないで、間接的に私を非難されるのは卑劣ではあ
りませんか。あの少女とのことを何度も言及するのなら、私は、彼女を傷つけたくは
ないが、仕方がない、はっきり申し上げます。
私は、不用意に、何の勉強もせずに、理論武装することもなく、安直に、恰もチャッ
トや井戸端会議でもするように、人の命や心を真剣に論議している場に、いきなり首
を突っ込んで、薄っぺらな正義感を振りかざす、私を名指しで書いてあったから、そ
の愚かさを、軽率さを諭したのです。貴方様の言う「聡明」とは程遠い、その姿勢を、
もっと勉強しろと、正したのです。その結果、自殺をほのめかす、訳も分からぬ反発
をする。ネット上で、言ってはならぬ禁句を口にする、マナー違反をする。自殺をほ
のめかせば、大人は慌てて右往左往する、懸命に彼女を弁護し、励ましの言葉を掛け
る。それを期待しての発言でしょう。だから、2,3日後にはケロッとしている。見
事に貴方様は引っかかったのです。真剣に人の命を論議している場に薄っぺらな意見
を述べれば、手ひどいしっぺ返しを食らうのは当然でしょう。貴方様の言う「老いも
若きも関係ない」のだから。貴方様はその未熟なマナー違反をこそ諭すべきなのに、
逆に一所懸命擁護し、美辞麗句を並べ立て、大仰に私を非難される。貴方様も薄っぺ
らな正義感を、「悲しみを刃にしてはならぬ」「悲劇のヒロイン」などと、大上段に
振りかざしておられるから、根っこは同じなのでしょう。

何度言っても、貴方様には通じない。貴方様が心の中でどう思おうが勝手ですが、そ
れを、被害者遺族の心に踏み込むようなことを述べるのは遺族を傷つけることがまだ
分からないのですか。遺族を傷つけたいと意図的に書いているのですか。それなら、
分かります。善意を隠れ蓑にして、相手が傷ついても意に介さず、一所懸命に諭して、
何のためですか。飯島さんは、加害者少年達も、見て見ぬ振りをした少年達も憎いと
書いています。当たり前です。我が子を殺した犯人達を憎むのがどうしていけないの
ですか。憎み続けて、何が悪いのです。いつか許せる時が来ると本気で思っているの
ですか。そんな時が来る筈もないのです。疲れ果てて、諦める時は来るかも知れませ
んが。許すことが善なのですか。飯島さんにとってそれが善なのだからと、憎むなん
て気の毒だからと、いつまでも憎んで欲しくないからと、薄っぺらな正義感で一所懸
命なのでしょう。犯人を憎むことを止める、許すということが、どういうことか考え
たことがありますか。無いでしょうね。私も飯島さんも日々それを突きつけられてお
ります。深く考えざるを得ないのです。誰だって、人を憎みたくなどない、寛容に許
したいけれど、そんなことは出来ない、でも人を憎む姿を世間に曝したくはない、貴
方様のように蔑まされたくはない、心の中で激しい葛藤が続きます。我が子が殺され
たことはそんな軽いことではないのです。私も妻も次男がいなければ、とうに長男の
ところに旅立っていたでしょう。許すということは、犯人の行為を止むを得なかった
と認めることに他なりません。それは、我が子が殺されても仕方なかった、なぶり殺
されても当然だと認めることです。そんなことが出来ますか。生涯出来ません。我が
子の命の尊厳を否定することになります。そういうことを貴方様は被害者の親に求め
ているのです。貴方様も他の同じ様なことを仰る方々も、いい加減に薄っぺらな正義
感を振り回すのは止めて下さい。ご自分の思慮の浅いことを自ら満天下に曝している
ようなものです。私がこう書くと、私は飯島さんでもないのにと仰るかも知れません
が、私も我が子を殺された当事者です。痛いほど飯島さんの気持ちは分かります。薄っ
ぺらな正義感で何が解決できるのですか。ですから、私はあの少女へのメールで、
「悲しみ」、「憎しみ」などを真剣に深く考えるように書いたのです。被害者遺族を
応援するのであれば、そのあるがままを、思っていることを認めて、受け止めて上げ
ることしかないのです。応援するつもりがないのなら、話は別です。応援する振りを
して傷つけて、どうするのです。傷つく方が悪いとでも仰りたいのですか。

「私も妻も次男がいなければ、とうに長男のところに旅立っていたでしょう」と書き
ましたが、大げさなことを言っている訳ではありません。十数年前に、社員研修旅行
でガス爆発のために十数人の若者が命を奪われた悲惨な事故がありましたが、私の友
人はその時の加害者側の担当者でした。彼は「会社は命は返せないのだからと本当に
手厚い対応をした。何年にも亘って、娘さんの大学入学の世話から、就職の世話まで
したケースもある。それでも、3人の親御さんが子供を追って自殺された」と話して
くれました。

貴方様は、人の心がお分かりになっておられない。被害者遺族である飯島さんの気持
ちがお分かりになっておられない。前メールで述べた様に一度ならず二度までも、飯
島さんの気持ちを読み違え、とんでもない見当違いをされた。貴方様が被害者遺族の
心理を理解していないことをご自分で二度も証明された。人の心が分からぬ事を自ら
証明された。

どうして、人の心もお分かりにならぬのに、そんなに傲岸不遜になれるのですか。人
の痛みを、心を理解できないで、どうして人の心を論じることができるのですか。
不明を恥じるお気持ちはありませんか。おありではないでしょうね。様々な意見があ
り、不快な意見もあることを覚悟で開設したのだから、飯島さんが傷ついても、それ
は仕方がないことで、当然あり得ることだと繰り返し仰っている訳ですから。幼稚で
配慮に欠けた意見があることは当然予想されたことですが、それを貴方様は懸命に擁
護し助長される、他の人がそれを諭すと諭した人を「善意」だから「純粋」だからと
非難する、その貴方様の傲慢な姿勢がBBSを閉鎖に追いやり、今また、「御意見」
欄も閉鎖に追いやることになると危惧しております。何度も言いますが、このHPは
文部省が開設したものでもなく、我が子を殺された被害者遺族のHPです。貴方様は
このHPを閉鎖に追いやりたいのですか。

更に申し上げれば、貴方様は飯島さんの日記などをお読みになった上で、あのような
見当違いの結論をお出しになる。文章読解力も、想像力も、論理的思考能力も不足し
ていることを自ら証明された。これ以上、恥をさらして、どうするのです。貴方様の
子供に対する温かいお気持ちを考えると、残念です。

貴方様の姿勢が、薄っぺらな正義感がどれほど飯島さんを苦しめているか、想像した
ことがありますか。ないでしょうね。ご自分の主張を述べるためには、被害者遺族の
心情など念頭にはないのでしょう。それは、前述の見当違いが見事に証明しています。
そういう見当違いが更に飯島さんを追いつめます。私は全く同じ境遇ですので、貴方
様が非難される事とは異なり、正に、我が子を殺害された当事者です。痛いように飯
島さんの気持ちは分かります。飯島さんは言いたくても言えないのです。どうして、
そんな簡単なことがお分かりにならないのですか。貴方様を初め、皆さん、善意で意
見を述べています。不快であっても、それは違うと思っても、善意だから、口には出
せないのです。それを良いことに、遠慮会釈無く、配慮に欠けた発言をされる。結果
として、限界が来て、閉鎖に追い込まれる。ですから、私は我慢ならず、容赦なく申
し上げているのです。

当事者ではないから発言するな、とは一言も申し上げてはおりません。排除もしてお
りません。幼稚な意見は何の解決にも結びつかないから、配慮をした上で、分からな
ければ勉強した上で、発言して下さいと申し上げているのです。

貴方様は子供に対しては、私の一言一言が心に突き刺さると一所懸命非難されますが、
飯島さんには、それは当然あることだから我慢せよと言われる。私には「老いも若き
も関係ない」と仰りながら、私が何か言うと子供だからと懸命に擁護する。貴方様は
全くお分かりになっていない。我が子の殺害は、そんなに軽いことではないのです。
まあ、もう止めましょう。繰り返しになりますから。人の心の分からぬ人に何を言っ
ても無駄でしょう。

少女趣味の薄っぺらな正義感を振り回して恥の上塗りをされることはお止めになった
ら如何ですか。事ここに至っては、貴方様の言葉は説得力を失っていますから。

横浜市 富久邦彦拝