奈美さんへの私の返事は、感情的な反発を招いただけで、私の思いは何一つ伝わらな
かったのは残念です。繰り返しを書くのは空しいのですが、今一度、整理して中高生
にも分かるように説明します。飯田啓子さんにも「被害者の論理を...大上段に振
りかざして」とご叱責を受けましたので、弁明でもあります。何のために、こんな事、
当たり前のことをくどくどとと書いているのか空しい気もしますが、これを最後にし
たいと思っております。

私が一貫して申し上げているのは、相手を助けてあげたい、応援したいという気持ち
があるのなら、相手の気持ちを理解しなければ、相手の立場に立たなければ、善意が
善意として相手に伝わらない場合があると言うことです。逆に、自分の意図に反して、
相手の反感を買うこともあります。人を助けると云う事は非常に難しいことだと、そ
れにはそれなりの努力と覚悟がいると私は理解しています。至極当然のことです。そ
れでは、子供を突然失った親(相手)の気持ちをどう理解すればいいのか。経験のな
い人は殆ど理解不能です。(私だって経験しなければ分からなかったでしょう)です
から、私は率直に、飯島さんを代弁して、私なら、こういう気持ちですよ、と説明し
たのです。その心情を、感情を忖度しないで、慰めや応援の言葉を相手に述べても、
善意が伝わらない場合があります。私の意見に対し、おかしいと思うなら、今書店に
は犯罪被害者に関する本がたくさんありますので、そういう本を読めば、人それぞれ
ですが、被害者遺族の気持ちを、疑似体験することで、ある程度、理解可能です。こ
のHPには、飯島さんと私と飯田啓子さんの3人、子供を失った人が意見を述べてい
ます。それぞれ、ケースも時期も異なり、飯島さんと私はまだ生々しいし、飯田さん
は10年以上経っています。当然、感じ方も異なります。経験のない方には参考にな
ろうかと思います。それも、このHPの功績でしょう。

正しいか、正しくないか、そんなの「人間のすることじゃない」という問題ではない
のです。こんなこと、殆どの人は分かり切っていると思うのですが。このHPは飯島
さんのHPです。飯島さんを応援しようと思うなら、飯島さんの心情を理解しないで、
どう応援や励ましなど出来るのでしょう。

肉親や友人を亡くした悲しみの大きさは人によっても、状況によっても、環境によっ
ても異なります。どれが大きい、小さいではなく、その当事者がどう感じているかで
す。それを比較することは困難です。私や飯島さんのの場合は、比較されることが、
不快です。世の中には、もっと苛酷なケースはいくらでもありますが、「それよりま
しなんだから、よしとしろ」と言われても、頭では理解できますが、到底そんな事は
受け入れることは出来ません。極端に言えば、「世の中で一番辛い目にあっている」
と当座は思っています。それが、遺族の心境です。理屈ではないのです。こんな事、
当たり前で、書くのも気がひけますが。
飯田啓子さんのように慈愛に満ちた心境に、何年後かには、到達したいものです。

奈美さんへは殊更反論はしませんが、この投書を読んでいただければ、お分かり頂け
ると信じます。哲学書や心理学書など難しい本は若いときしか読む機会が少ないから、
そういう本を読めば、心を鍛え、想像力を豊かにし、多面的に物事を見る目を養う一
助になると老婆心ながら、息子を通して日頃感じていることを述べたのです。余計な
お世話でしたね。


さちさんへ
私が一貫して申し上げているのは上述の通りです。貴女には何度申し上げたら、分かっ
ていただけるのか。子供を突然殺された相手の気持ちを理解しようとしないで、どう
して、相手の心に届くような励ましや慰めを与えられますか。親を亡くされたご自分
の体験のみを押し出して、悲しみの大きさは順位などつけられないのだから、自分の
気持ちを分かって貰えないのかと、憤っておられる。そこには、相手への思いやりが
感じられません。このHPは子供を殺された遺族のHPです。貴女のHPではありま
せん。親の死と子供の死を比較されるのは、人の心に踏み込むようなことを言われる
のは、不快だと、被害者遺族ならというより、私も飯島さんも不快だと、飯島さんの
代わりに私が申し上げているのです。理屈ではないのです。感情です。比較などして
いないと仰るかも知れませんが、親の死を持ち出すこと自体が「比較されている」と
感じてしまうのです。私や飯島さんのような当事者が正直に気持ちを述べることは希
だから、経験しないと理解不能だと思うから、率直に述べているのです。そんな感情
はおかしいと思うのは自由ですが、それを言ったら、相手を助けることにはならない
ですよと申し上げているのです。相手を攻撃していることになります。5年後、10
年後なら、あるいは、別な感じ方があるかも知れませんが、現在時点では、申し上げ
た通りなのです。それを何としても相手を説得しようとなさる。何のためですか、私
や飯島さんをやっつけて、それが自分の善意だと、自分を正当化するためですか。そ
れが飯島さんを応援することになりますか。過ちを正してやるんだと思っているとし
たら、それは人の心を知らぬ思い上がりというものです。私はそんなに難しいことを
述べているつもりはないんですが。
貴女は「『疑似体験』・・これで、どこまで近づけるのでしょう・・。
哲学書、心理学書に記されてる事を、謙虚に真摯に読めば、その思いに
近づく事ができるのでしょうか・・・」とお書きになりましたよね。
私は本気で怒りますよ。文章理解力がゼロではありませんか。これでは、私の書いた
文章をねじ曲げて、悪意としか思えません。どこまでいっても貴女には何も伝わらな
い。文章理解力がなくては何を申し上げても空しいばかりです。時間の無駄です。ト
ラトラさんが述べた「犯罪被害者」(平凡社)という本を一度「謙虚に、真摯に」お
読みになってみてはいかがですか。私の言う「疑似体験」が出来、貴女の「無知」を
多少とも克服できるのではないでしょうか。勉強不足ですよ。

飯田啓子様へ
貴女様が間接的にお書きになった、「namiさんに非などなく、憎しみを堂々と振りか
ざせる当事者の論理と、振りかざせない第三者の論理の矛盾、被害者の論理が他者の
立場に思いを及ぼすこともなく、大上段に振りかざされたことへの、純粋な優しさか
らの憤りの抗議をされたに過ぎないと思います。」という奈美さんへの擁護発言に対
しては、貴女様の子供への慈愛に満ちた接し方の一つだと理解しております。そのく
らい大きな心で接していかなければいけないのでしょう。私とは子供と接している経
験や姿勢が違いすぎますから、それについて反論することは貴女様の意図に反するこ
とになりますから、致しません。あれも放置しておこうと思ったのですが、つい、大
人げなかったと大変後悔しています。バカなことをしました。ご叱責は肝に銘じてお
きます。ただ一言だけ、いくら純粋でも理屈にあっていても私は不快に感じたのです。
それだけです。お若い方だから、純粋なんだと受け止めなければいけなかったのでしょ
う。私の心の修行が足りないのでしょう。貴女様のような心境にいつになったら到達
できるのかと考えさせられます。私の心はまだ死んだ息子が9割方占めています。い
つも、貴女様の御意見、御見識、参考にさせていただいております。


横浜市 富久邦彦