飯島京子 様
一ヶ月程前、新聞で知りホームページを拝見しました時は、お母さんの切実な思いが伝わってきて、苦しくて見続けることができませんでした。
今又、ページを拝見し、お母さんにとって良い結果となることを祈ってメールを送らせていただく気持ちになりました。
少年たちに対するお母さんの怒りは当然のことです。
彼らは、何故、あのような事をしたのでしょうか。
「やってはいけないこと」であることは、当然知っていたに違いありませんが、彼らは、「やる理由」さえ見出せれば「やりたい」と思っていた事でもあったと思います。
「絶対にやってはいけないこと」と彼らが思わなかった原因の多くは周りの大人にあると思います。
これは単に子供が大人の真似をした。という意味だけではありません。
「絶対にやってはいけないこと」を示すことはとても重要なことです。その意味で少年法は大人が作った原因の一つだと考えられます。
彼らが、自分に課せられるペナルティの小さいことを秤にかけていたことは、間違いないと思うからです。
少年法は「被害者の権利の犠牲」を「容認」しなければならない程の「大きな価値」が何であるかを示していません。
少なくとも同じような事件の再発を防止ために、事件の原因となった情報を明らかにして、社会をあげて対策をとるのでなければ、意味がないと思います。
このように考えると少年法はまことに奇妙な法規です。
お母さんの捜査機関に対する不満もよく分かります。
彼らは公務員です。彼らに自分を犠牲にしてまで正義を追求することを期待するのは、無理かも知れません。
たとえば、「傷害致死」と「殺人」では、立証しなければならない内容が異なります。捜査方針の変更には彼らなりの障害があるのでしょう。
その障害は、被害者の立場からみれば、容認できる内容とは限らないとは思います。
それに彼らが、お母さんの論理を必ず理解できるとは限りません。
彼らは、法律を適用するための知識がある以外は、特別な人間ではないと考えるべきです。
私のメールを見て、どうかガッカリしないで下さい。
私達の置かれている社会の状況を見直してみれば、又、新しい考えも生じてくるのではないかと思います。
湊 毅