前回に引き続き,教育現場にいる者としての意見です。
 子どもたちのことで,お母様方と話をするときに,
「わたしが,働いているから悪いのかしら。」
「わたしがもっと,子どもたちに手をかければいいのかしら。」
などという悩みを耳にします。我が子を心配しない親はいないし,我が子を悪い子にしようと思う親はいないのです。だれにとっても自分の子どもは,世界で一番大切な宝物だと思います。だからこそ,悩みも多いのだと思います。この掲示板の中のご意見でも,最近の親は自分の子どもをきちんと躾ていない等のご意見がありました。忙しさの中で,つい子供の話を聞かずに先取りをしてしまうことも多いのではないかと思いますが,基本的には,お子さんをよい子に育てようと思っているはずです。お母さん方に,相談されたときにこんなことをわたしはよく言います。
 お子さんの一番頼りにしているのは,お母さん(お父さん)です。たくさん話を聞いてあげてください。話を聞いてもらっただけで,お子さんは楽になることがたくさんあると思います。そして,悪いと思ったら,叱ってあげてください,いいことをしたらたくさん誉めてあげてください。お子さんの1番の理解者になってあげてください。
 すごく,一般的な普通のことです。教育者でなくてもだれでも言えることです。でも,わたしには,それが一番大切なことだと思うのです。子どもの表情から,行動から今,「何を考えているのか?」「悩んでいるのではないか?」「何か言いたいことがあるのではないか?」を読み取ってほしいのです。そして,手を差し伸べてあげてほしいのです。
 教育現場は忙しいです。ご指摘があった通り,自分の教育理念を持たずただ日々を過ごしている教員が多いのも事実だと思います。学校もお役所と同じで,たくさんの書類との戦いです。一つのことをするのにたくさんの書類を提出しなければなりません。その忙しさで,子どもたちにあまり手をかけない教員がいるのも事実です。親御さんと話をするのを極端に嫌う教員がいるのも事実です。だからといって,「学校には期待ができない。何を言っても無駄。」とあきらめないでください。確かに時間はかかるかもしれないけれど,言われたことに対してどんな教員でも知らん振りはできないはずです。子どもたちにとっての一番の理解者であり一番の協力者であるのは親御さんなのですから。わたしたち教師も努力はしますが,やはり親御さんには勝てません。わたしは,お母様方に期待をしています。           さと